
高額報酬をうたうアルバイト広告にだまされた韓国人女性が、カンボジアで犯罪組織に監禁・拷問され、国際的な連携により救出された。
女性は7月24日、「短期デザイン作業で350万~400万ウォンを得られる」との求人広告を信じて渡航。空港到着直後、刃物を突き付けられ、首を絞められて拉致された。目を覚ました場所は犯罪組織の拠点。食事もまともに与えられず、抵抗すれば水責めや電気ショックなど、日常的に拷問を受けた。
その後、麻薬運搬に利用され、詐欺電話をかけるボイスフィッシング組織に売られた。暴力から逃れられず、「助けて」と訴えると暴行が激化したという。
転機は、通信アプリ「テレグラム」を一時使用できた瞬間だった。女性は韓国にいる恋人へ助けを求めるメッセージを送り、すぐ履歴を削除。「返信はしないで」と記して痕跡を最小限にとどめた。
恋人は彼女の父親に連絡。父は韓国の与党「共に民主党」所属のパク・チャンデ議員に相談した。議員室が外務省や国家情報院に緊急連絡し、メッセージを証拠として共有し、3日後、現地警察がカンポット州の山地にある建物を急襲し、女性を含む韓国人14人を救出した。
女性は「私は生き延びた証人。再発防止のため警鐘を鳴らしたい」と語った。パク・チャンデ氏は「国民安全最優先の理念に基づき、政府が司令塔として確実に機能すべきだ」と述べた。
カンボジアでの就業詐欺・監禁被害は急増しており、2024年には220件、2025年も7月までに252件が報告されている。韓国政府は領事館職員を1人から3人に増やす方針を示している。
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