
カンボジアでオンライン詐欺組織に監禁され拷問を受けて死亡した韓国人大学生(22)の遺体をめぐり、現地での司法解剖の結果、臓器摘出などの遺体損壊は確認されなかった。一方で、全身に多数の打撲痕と外傷が見つかった。
カンボジアの首都プノンペンにある寺院で20日午前10時35分から午後1時30分まで約3時間にわたり解剖が進められた。通常、遺体1体の解剖は1時間程度とされるが、今回は拷問や臓器摘出、薬物投与の有無を重点的に確認するため時間がかかったとみられる。
韓国警察庁は「解剖の結果、これまで多くの問い合わせがあった遺体損壊は確認されなかった。正確な死因は、今後、韓国国内での組織検査と薬毒物検査、韓国・カンボジア双方の捜査結果を総合して確定する」と発表した。
この共同解剖は、韓国警察が法務省を通じてカンボジア側に刑事司法共助を要請し、両国の捜査当局が共同で実施したもの。韓国側からは警察捜査官2人、国立科学捜査研究院の法医3人、法務省国際刑事課の検事1人の計6人が参加。カンボジア側も警察当局者と医師ら6人が立ち会った。
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