
韓国慶尚北道出身の大学生の男性(22)が「夏休みにカンボジアで開かれる博覧会に参加する」と家を出たまま2週間後、遺体となって発見された。男性はカンボジアの犯罪組織に拉致され、拷問の末に死亡したとみられており、その遺体は発見から2カ月が経った現在も韓国に戻されていない。
家族と警察の説明によると、大学生は2025年7月17日にカンボジアに入国。その1週間後、家族のもとに朝鮮族特有の訛りを持つ男から電話があり、「この男は事件を起こして拘束されている。5000万ウォンを送れば解放する」と脅迫を受けた。家族はすぐに韓国警察と在カンボジア韓国大使館に通報。警察は「金を送ってはならない」と忠告し、大使館は「カンボジア現地警察に位置情報や写真を送って通報するように」と指示した。
だが、その後の連絡はわずか4日で途絶え、8月8日、カンボジア南部にある犯罪団地の近くで遺体となって発見された。
現地警察と韓国外務省によると、死因は「拷問および激しい痛みによる心臓麻痺」とされている。死亡が確認されたにもかかわらず、遺体は現地での司法解剖や火葬手続きの調整などを理由に、約2カ月が経った現在も冷凍保存されたままカンボジアに放置されている。遺体の韓国送還は、10月中に実施される予定という。
大学生の父親は「死亡診断書に『拷問による心臓麻痺』と書かれていた。どれだけ苦しかったのか、想像するだけで眠れない。死んでも家に帰れず冷凍庫に入れられている。これは人を二度殺すことと同じだ」と憤りをあらわにした。
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