「待機登録する方は左に立ってください。通知を受けた方は右側に一行お願いします」
先月31日午前11時20分、ソウル市松坡区のロッテワールドモールのあるベーグルカフェの前に、「待機のための待機列」ができた。売り場前のタブレットPCに、携帯電話番号を入力すると、自分の番が来た時にモバイル通知が流れてくる。
開店から1時間も経っていないが、店内での飲食する66組と、テイクアウトを希望する156組の計222組に待機していた。長時間の待機が明らかなのに、慣れた様子でタブレットPCを操作して携帯電話番号を入力し、周辺のポップアップストアや別のカフェに移動していた。
人気カフェや食堂に「待機」と登録し、待機時間を有効に過ごすのが若い世代の新たな文化として定着している。「第一のスケジュール」の前という意味で「0次文化」「0次空間」といわれ、専門家は、現実を重視する世代の特性が反映されたものだと分析している。
ソウル市中浪区(チュンラング)に住むソン某さん(30)らのグループは、ベーグルカフェに待機登録をした後、3時間にわたり「n次会」を楽しんだ。ソン氏は「待機の間、即席トッポッキを食べてショッピングし、アイスクリームを食べてカフェで待っていたら、ベーグルカフェの入店時間になった」と話した。
蚕室(チャムシル)で会った松坡区民のファン某氏(33)は「売り場の前に立って待つのではなく、待機登録をした後、歩き回ることができるのがむしろ良い」とし、「待機中、カフェの隣のポップアップストアに行き、石村湖に桜を見に行きたい」と話した。
週末の人気レストランやカフェでの待機は避けられない。よって、待機時間を充実させるためにどうするか、に関心が集まっており、ブログやSNSには「ウェイティングチップ」や「周辺の見どころ」などを示す記事が目立つ。
専門家は若い世代の「0次文化」について、「今」を重視する世代の特性から出たものと見ている。待つ時間も「今」の一部であり、楽しみながら合理的な選択をし、現在の満足度を引き上げたいという発想だ。
檀国大心理学科のイム・ミョンホ教授は「最近の若い世代は、社会・経済的に難しいので、むしろ今、楽しいことに集中しようとする特性がある」と分析する。「生活が大変だからといって、無力になるのではなく、合理的選択を考えながら楽しむ、今に集中する態度が反映された現象だ」としている。
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