2024 年 11月 27日 (水)
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カカオ経済陣はなぜ「ストックオプション」売買にこだわるのか (上)

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成長の道を駆け抜けてきた大手インターネットサービス会社「カカオ」が、相次ぐ株式買収選択権(ストックオプション)を巡る議論のなかで、非難の矛先を向けられている。カカオ共同代表に内定していたカカオペイのリュ・ヨンジュン代表と経営陣7人が揃って、ストックオプションで購入した株式を売却したことで、事態が先鋭化した。

加えて、カカオペイ証券の職員が一斉に退職するにあたって自社株を処分し“食い逃げ論争”に発展した。系列会社カカオバンクでもユン・ホヨン代表が昨年末、ストックオプションを行使したことが判明。カカオグループに限ってなぜ、こうした事態が起きているのか、関係者は理解に苦しんでいる。

金融業界関係者によると、リュ代表の辞職以降も否定的な世論が収まる気配がないため、カカオペイが追加的な対策を検討しているという。具体的には明らかにされていないが、リュ代表が処分した株式を再度、買う方法が取りざたされている。

SK証券のチェ・グァンスン研究員は「カカオペイの昨年第4四半期の実績は、トップラインの成長が続いたにも関わらず、株式の返済費用が発生したことで前期に比べて営業赤字の幅が大きくなる」と見通す。「上場以降、株式は最高額に比べ42%ほど下落した。実績不振とともに経営陣のストックオプション行使批判の引き金となる」と説明した。

さらに「ストックオプション行使は違法ではないが、市場の信頼を損なることにつながった。利益の回復とともに信頼を取り戻すことが、株価が上昇に転じるカギとなるだろう」と見通した。

このような状況のなか、カカオペイ証券の法人営業本部の役員4人を含む13人と、リサーチセンターのアナリスト4~5人がDS投資証券に転職することがわかった。

彼らは退社によって自社株の「保護預かり(1年)」が解除されるため、株の処分が可能となる。昨年の上場当時、カカオペイの自社株340万株が組合に割り当てられた。証券申告書に記載された職員数849人で計算すれば、1人平均4005株を受け取っていたことになる。

違法ではないにしても、信頼が命である金融会社職員らが、株価に及ぼす影響を考慮せず、大量に株を売りさばく行為が批判の対象になるのは当然だ。自社株を保有したままの職員も下落した株価に対する不満が絶えない。

同系列会社であるカカオバンクも、一部ストックオプションが行使された。ただしカカオバンクのユン・ホヨン代表は、昨年第4四半期に、自身が保有する52万株のうち数万株を「差額補償型」の方式で行使した。「差額補償型」とは会社がストックオプション行使の時点で発生した差額を、株式ではなく現金によって保障する制度だ。新株を発行する必要がなく株価に影響を及ぼさない。

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