
韓国のハンファ・エアロスペースが、インド陸軍の自走式対空砲ミサイルシステム(SPAD-GMS)事業に、韓国製自走式対空砲K30(飛虎複合)で再び挑戦する。飛虎複合はかつてこの事業の優先交渉対象者に選定されたが、最終契約までは至らなかった経緯がある。ハンファはすでに飛虎複合の優位性が立証されているとみて、現地企業と手を組んで輸出を完遂させる計画だ。
飛虎複合は短距離自走対空砲「飛虎」に地対空ミサイルを結合した兵器システムで、韓国陸軍も現在、運用している。
今回の事業は、インド陸軍が、老朽化した機関砲と旧ソ連製対空砲に代わる新型自走式対空砲を導入するもの。対空砲は地上軍に対する航空機やヘリコプター、ドローン、巡航ミサイルなどの攻撃に迅速に対応するための防空システムだ。
新型自走対空砲の仕様は▽6輪または8輪の装甲車両に主砲とミサイル機能搭載▽有効射程距離6.5km、高度3kmのミサイル最大6発装着▽対空砲口径35mm以下の場合は多重砲身、35mm以上の場合は単一砲身――などとなっている。
インドは2013年に該当事業の入札を公告し、技術評価などを経て2019年にハンファの飛虎複合が優先交渉対象者に選ばれた。しかし、自国企業が落選したロシアが選定に抗議して契約が遅れた末、インド政府は2020年9月に入札を撤回した。
事業規模は飛虎複合104台の供給などで25億ドル(約3563億円)水準だったという。
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