韓国文化体育観光省は25日、自国の演劇を「観光コンテンツ」とすることを決め、演劇観光広報大使の役割を、ネットフリックスの「イカゲーム」で有名になった俳優オ・ヨンス氏に委嘱すると発表した。また、Mnetの「ストリートウーマンファイター」でダンスブームの火付け役となった振付師モニカも、9月から演劇街・大学路(テハンノ)で開かれる「ウェルカム大学路」広報大使を務めることになった。
韓国政府が「演劇を観光コンテンツ」と位置づけた背景には、新型コロナウイルスのエンデミックで再開された韓国観光の市場回復を図りたいという思惑がある。
同省は2017年から、韓国観光公社、韓国公演観光協会とともに大学路で演劇観光フェスティバル「ウェルカム大学路」を開催している。新型コロナのために非対面中心の開催が続いたが、今年は9月24日~10月30日、大学路一帯で対面・非対面の双方で行事を開く予定だ。100編に及ぶ公演作品をはじめ、常設のストリート公演とオンライン公演など国内外の観光客が楽しめるようにする。
オ・ヨンス氏は1967年、劇団広場に入団し、いまも現役で大学路を中心に演劇の舞台で活躍している。50年以上の俳優生活で200本以上の作品に出演し、「韓国公演の生き証人」として知られる。イカゲームに「001番老人」として出演し、米映画とテレビ作品に与えられるゴールデングローブ賞で昨年、韓国俳優としては初めてテレビドラマ部門助演男優賞を受賞した。
振付師のモニカは「ストリートウーマンファイター」で人気を集め、ダンスを大衆文化に広げた。文化体育観光省はダンスに対するモニカの情熱が「ウェルカム大学路」と相乗効果を生み、大学路を中心に韓国の多彩な公演文化と作品を世界に知らせるのに寄与すると期待している。
同省関係者は「大学路を象徴するオ・ヨンス氏と、振り付けを通じて韓流の新たな領域を開拓した振付師モニカ氏によって、大学路を“世界的な演劇の観光地”と知らせたい。ニューヨークに行けばブロードウェイを訪問して公演1作を楽しむのと同じような感覚で、大学路にも観光客を誘致したい」と意気込んでいる。
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