2024 年 12月 31日 (火)
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アジア通貨危機がもたらした「中産層の分裂」

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「特権中産層」はアジア通貨危機(1997年)以後、経済的格差拡大の過程で新しく登場した階層だ。

米国ハワイ大学社会学科名誉教授であり、東アジア労働研究の先駆者として注目されてきた著者のク・ヘグンが、この階層を中心に今日の韓国の階層地形図を新しく描いた。

著者は新刊で特権中産層が持つ階級世襲に関する欲望と根本的な不安を分析し、この階級的行為が社会全体にどのような影響を及ぼすのかを深く掘り下げた。

中間層に対して一つの共通の定義を下すことは難しい。経済協力開発機構(OECD)と韓国政府は中産層を中位所得の50%から150%の間に属する人々と規定しているが、これを基に推定する中産層規模と一人一人が感じる「体感中産層」規模は非常に大きく異なる。

OECD方式で中産層を定義すれば、韓国の中産層規模は全体人口の65%程度であるのに比べ(2015年時点)、実際に自分を中産層だと考える人々はそれに遠く及ばない水準の40%台(2019年時点)で、調査方式によっては20%台まで落ち込む。

韓国はアジア通貨危機(1997年)以後、深刻な経済格差が生じ、中産層が瓦解し始めた。この過程で中間階層内でも一種の両極化現象が現れ、中産層内に経済・社会・文化的に特権的機会を享受する少数の上流富裕層が形成された。

特権中産層の階級区分が最も可視的に現れる分野は消費行為だ。富裕中産層は一般中産層と階級的差別をするために自らの消費形態を誇示しながら身分競争を続けた。

彼らはソウル・江南(カンナム)に集まって暮らすことになり居住地が階層的に分離され、自然に「江南スタイル」という階層文化が発達した。彼らの消費形態と生活様式は、一般中産層が追いつくには非常に高いレベルになっており、教育分野での階級間競争はさらに激しい。

新刊は2022年7月に米国で発刊された本を修正・加筆したもので、韓国の現実をより綿密に反映させて韓国の読者に公開した。

<『特権中産層』/ク・ヘグン著/創批(創作と批評)/2万ウォン>

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