2025 年 6月 1日 (日)
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また揺らぐ安全保障…米国が在韓米軍の役割見直し示唆、韓国はどう対応すべきか

京畿道平沢市にある在韓米軍基地「キャンプ・ハンフリーズ」(c)news1

米政府が在韓米軍の役割を再調整する方針を再び示し始めた。背景には防衛費分担金の引き上げ要求と、対中抑止の必要性がある。トランプ政権時に顕在化した「安全保障リスク」が再浮上している。

在韓米軍の存在意義が、これまでの北朝鮮の核抑止から、台湾防衛など対中国戦略へと転換する兆しを見せており、韓国も新たな国際情勢に即した戦略構築が必要とされている。

トランプ政権は第1期から同盟国による防衛費負担の増加を主張しつつ、在外米軍の「戦略的柔軟性」の拡大を推進してきた。中国の台湾侵攻を念頭にアジア太平洋地域での米軍展開を再構築し、北朝鮮問題など地域的脅威に対しては、同盟国により多くの責任を求める姿勢だ。

トランプ大統領が軍制服組トップの統合参謀本部議長に指名したダン・ケイン退役中将は1日(現地時間)の米上院軍事委員会の人事聴聞会で「承認されれば、インド太平洋地域に駐留する米軍の配備について再評価し、国防長官と大統領に助言する」と述べ、在韓米軍の見直しに含みを持たせた。

また、3月にヘグセス国防長官が「中国の台湾侵攻阻止」と「米本土防衛」を最優先事項とする新たな防衛戦略指針に署名したと米紙ワシントン・ポストが報じた。国防次官に指名されたコルビー氏も自著「拒否戦略」で、在外米軍の戦力運用は中国の地域覇権を封じるため「戦略的柔軟性」に基づくべきだと主張している。

在韓米軍の縮小や役割変更の議論はこれまでも繰り返されてきた。冷戦終結や米同時多発テロ以降、米国の安全保障戦略の優先順位が変化するたびに、海外駐留部隊の再編が検討されてきた。

特に最近は、中国が全国人民代表大会(全人代)で「台湾との平和統一推進」を削除し、台湾包囲演習など軍事行動を活発化させており、ワシントンでは「韓国に駐留する米軍を対中抑止に活用すべきだ」との声が高まっている。

こうした中、巨額の費用がかかり、北朝鮮に対する即応体制にも影響を与える「在韓米軍の再配置」までは現実的でないとしても、その役割の変更は既定路線との見方が強まっている。一部では、防衛費分担金の増額問題とは別に、役割変更が独立して進む可能性も指摘されている。

問題は、トランプ政権が掲げる「自国優先主義」により、同盟国の安全保障の空白を考慮せず、中国封じ込めに過度に傾斜した場合、韓国の安全保障体制に重大な穴が生じかねない点だ。

韓国国防研究院(KIDA)のユ・ジフン首席研究員は「米国は在韓米軍が韓国防衛に貢献している分、韓国も米国のグローバル戦略に一定程度貢献すべきとの論理を掲げるだろう。韓国側の地域安全保障への貢献を段階的に拡大し、『戦略的柔軟性』を韓米共通の利益として転換できるよう協力基盤を築くべきだ」と提言した。

(c)news1

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