
『梨泰院クラス』『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』……。世界を席巻する韓流ドラマはいったいどのように構成されているのか。そして、どうすればこんな物語を組み立てることができるのか――。こうした韓流ドラマファンの問いかけに答える『韓国式ストーリーのつくりかた』が6月6日、発売された。
著者は、ドラマの演出家・プロデューサーとして、脚本家として、さらに脚本家養成の講師として、30年にわたりその現場にたずさわったパク・ソンス氏。
パク・ソンス氏は『おいしいプロポーズ』など、主に青春の反抗・成長を描いた作品を演出してきた。2002年にはドラマ『勝手にしやがれ』で多くのファンを獲得し、百想芸術大賞、韓国放送大賞などを受賞した。
2014~17年、韓国MBCテレビのドラマ局長を務め、多くの新人脚本家とともにドラマ制作にかかわってきた。ドラマの企画・演出経験をもとに、韓国放送作家協会教育院、韓国芸術総合学校、韓国の中央大学などで後進の育成にも取り組む。
本書は「基礎編」「実践編」「挑戦編」の3パートで構成されている。脚本家になるために必要な資質が説かれ、どうすれば魅力のあるストーリー展開ができるのかなど、初歩的かつ実践的な手ほどきが記されている。
序盤の「心を奪うストーリーを描くために」に記された事項は、ドラマ制作だけでなく、創造性を要求される多くの業務に有用といえる。また、抽象的な概念をわかりやすく伝えるために図表が多用され、「ドラマの設計図」を描くための著者のノウハウが順序だてて理解できるように工夫されている。
『韓国式ストーリーのつくりかた』=パク・ソンス著(日経BP刊・2000円+税)
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