2024 年 11月 27日 (水)
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じゃこ炒めも「ミシュラン」出身シェフが作れば別格

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トシゴッカン ミン・ヨハン代表

ミン・ヨハン代表©MONEY TODAY

一風変わった総菜店が登場した。外から見れば高級ベーカリーのようだが、店内を覗くとパンやコーヒーだけでなく、各種野菜や果物、総菜類、ミールキット(料理に必要な材料一式がセットになったもの)などが陳列されている。「プレミアム総菜セレクトショップ」。「トシゴッカン」はこんなコンセプトに掲げる。

「トシゴッカン」の特徴をひとことで言えば――食料品界の「オリーブヤング」。韓国で圧倒的な人気のビューティーストア「オリーブヤング」は、各種化粧品を中心に取り扱いながら食品・雑貨なども販売する。その様式が似ているためだ。

「トシゴッカン」を細かく分析すると、八百屋、総菜店、家庭簡便食(HMR)という店舗が統合されていることがわかる。売れ残った農水産物は翌日、総菜の材料として使うシステムは目をひく。こうした総菜は、小包装・低価格で、その日のうちに生産・消費される。

「トシゴッカンは、専門シェフが開発・調理した250もの創造的な総菜や料理に加え、150人以上の小規模ローカル農業従事者らが栽培した有機農産物を一度に味わえる場所です」

ミン・ヨハン代表は自社のことをこう紹介した。

「トシゴッカン」売り場の外観(写真=トシゴッカン提供)©MONEY TODAY

ミン代表は当初、総菜や工業製品ばかりを販売していたが、現在は地域ごとの店舗によって一つずつ構成を変える「ポップアップストア形式」で運営している。例えば、若い夫婦が多く住む新都市に位置する京畿道(キョンギド)の茶山(タサン)店は、子供たちが好きなスナック菓子やベビーフードを中心に販売する。ソウル市江南(カンナム)区の主要学習塾が集まる場所ではカップ飯、中高年が多く居住する店舗では伝統食品や韓国料理を中心に陳列するといった形だ。

新型コロナウイルス感染拡大により在宅勤務が日常化し、飲食店の営業に制限がかかったことで、総菜店やミールキットの店が街のあちこちに出現した。韓国農水産食品流通公社によると、総菜を含むインスタント食品市場の売上は昨年、4兆ウォン台に上ったという。今年は5兆ウォンを超える見通しだ。

世界3大名門料理学校であり「料理界のハーバード」として知られる米ニューヨークの「カリナリー・インスティテュート・オブ・アメリカ(CIA)」出身。サンフランシスコのミシュラン1つ星レストランに勤務したこともある。そんな華やかな経歴を持つミン代表が、総菜店のフランチャイズを営むと決意した時、周囲は戸惑った。「大騒ぎになりましたよ。総菜店を経営するために海外留学までしたのか、と」

ミン代表が総菜に注目したのは「分散した市場をシステム化すれば、成功する可能性が高い」と考えたからだ。

「私たちの日常の中に、総菜店はコーヒーショップほど数多くあります。なのに、皆さんに『なじみの総菜店はありますか』と尋ねると、大半の方が首を横に振ります。そうした反応を見て、『プレミアム総菜セレクトショップ』というコンセプトを思いつき、流通革新を起こすブランドを立ち上げる、と決心しました」

総菜は毎日食べるということにも注目した。「総菜店の週別・月別の売上を計算すると、ほとんど一定で、差が10%ほどあるだけです。型破りなブランドが軌道に乗れば、ロングランするアイテムになるということが、はっきりとわかりました」

「トシゴッカン」の店舗は現在、韓国に16カ所。今年4月までに26カ所に拡大する予定だ。3月には、済州道西帰浦(ソグィポ)店をオープンする。「トシゴッカン」の契約農家となった地方の農業従事者は約300人。今年は421億ウォンの売上が目標だ。

最近、クラウドキッチン企業「WECOOK」などと提携し、競争力のあるフードメーカーの食品を入店させる段取りを整えている。

「トシゴッカンで入店企業が自社製品を販売する際、その味がどんな評価を受け、価格は適切かなどと、市場性を判断できます。小規模ブランドは大型スーパーに入店できないため、こうした商品が増えています。私たちが『テストベッド』(新技術の実証試験に使われるプラットフォーム)の役割を果たすとともに、彼らに透明な直接取引、流通取引プラットフォームを提供していこうと思います」

ミン代表は日本の「無印良品」を意識している。

「『キッチンライフショップ』のように、これからは食品に限らず、まな板やエプロン、洗剤など、キッチンに不可欠な道具や機器まで取りそろえた“Shop in Shop”形態の店舗を拡張していきます。セレクトショップならではの醍醐味を満喫できるようになるでしょう」

©MONEY TODAY

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