2024 年 11月 25日 (月)
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この服、あと数日は着てもいいんだけど…臭いを“食べる”繊維

Startup Story ~~ 成功のカギ

ジ―クロ チョン・ジェホン代表

チョン・ジェホン代表©MONEY TODAY

新型コロナウイルス感染拡大以降、ウイルスに抵抗力を持つ抗菌とエコ製品に対する消費者の関心が高まり、関連製品の販売量が増えている。ポストコロナ時代になっても、このような需要は減らないと専門家は予想する。

病気や衛生への関心が高まるにつれ、成長の勢いに乗る企業がある。10年以上をかけて研究・開発してきた抗菌・エコ素材「セラビダ」(CERAVIDA)でグローバル市場攻略に乗り出した「ジークロ」(G.CLO)だ。

ジークロという社名には▽Green(環境にやさしい製品で環境に寄与する)▽Collaboration(さまざまな分野における素材と技術の協力)▽Long lasting(企業の持続可能な発展の追求)▽Only One(世界で独自の技術を保有する)――といった意味が込められている。

◇抗菌・消臭に優れた「セラビダ」開発

ジークロが開発したセラビダは、人体に有害な物質を使用せず、自然から得た100%天然物質で構成されている。環境にやさしい材料である海藻類エキス、キトサン、天日塩などを組み合わせて独自開発したセラミック特許原料「Junlite」素材が含まれている。

「100%環境にやさしい物質だけを使用するため、人体に無害です。菌に増殖する臭いや食べ物の臭い、タバコの臭いなどの分子を吸着して取り除き、一般の抗菌剤に比べてより優れた消臭(悪臭除去)機能を持っています」

チョン・ジェホン代表はこう強調する。

従来の技術では、抗菌力を高めるため、ポリヘキサメチレングアニジン(PHMG)やトリクロサン、重金属など一定量の毒性があり、細菌を抑制する過程で人体にも被害を及ぼしかねない。これらの素材が大半の市場を占めているものの、欧州の一部の国では最近、トリクロサンなど化学抗菌剤や銀・銅など重金属抗菌剤で問題が浮上し、環境にやさしい抗菌剤に代替している傾向にある。

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◇衣類・マスク・柔軟剤など多方面に適用

セラビダは機能と用途に応じて▽抗菌機能に焦点を合わせたフレッシュ▽身体回復機能に焦点を合わせたヘルスケア素材リカバー▽素材の保温性を高めるヒート▽冷却機能を強化したクール――の4つに分けられる。

これらの製品群の中で現在、セラビダフレッシュが主力だ。化学合成物質をすべて排除して100%天然由来の物質に基づく抗菌消臭技術で99.99%の抗菌効果、80%以上の消臭効果と抗カビ効果を持っている。

チョン代表はこう説明する。

「自然界で唯一、天然陽イオン(+)を帯びる高分子物質が原料です。イオン結合により、細胞膜組織を破壊し、微生物の成長を抑制する原理で、抗菌・消臭機能を発揮します」

セラビダフレッシュの適用範囲は非常に広い。マスク生地に使えば、洗濯後、何度もリサイクルできる。スポーツウェアなどの衣類に適用し、汗の臭いを減らすこともできる。柔軟剤として使えば、洗濯後の化学残余物が残らず抗菌・消臭効果が長期間持続する。

「洗濯効果が長続きするので、洗濯回数を減らすことができます。臭いの除去効果も優れており、シックハウス症候群や服を頻繁に着替えることができない軍人の軍服、工事現場の作業服にも有効に使えます」

◇韓国初の米EPA認証取得

セラビダフレッシュは昨年9月に韓国で開発された天然材料抗菌・消臭物質の中では初めて米環境保護庁(EPA)認証を取得した。EPA認証により、日常生活の臭い分子を除去する優秀性と有害物質から人を保護する安全性が裏付けられた。

グローバル企業もジークロの技術力に注目している。英コートルズ(Courtaulds)社は2017年にパートナーシップを結び、持ち分投資をした。同社は1794年設立で、レーヨンを初めて開発し、英国の有名デパートで100年間、衣類を販売してきたブランドだ。

コートルズは現在、香港「PDエンタープライズ」の子会社だ。ジークロはまた、他の子会社のオーストリアのアルラともグローバルパートナーシップを結び、海外市場を拡大している。2020年には台湾南良集団の子会社グリーンケムと台湾内での独占販売、グローバルセールス業務協約も締結した。

グリーンケムとは石油系プラスチックと繊維に代替できる環境にやさしいプラスチック「バイオポリマー」素材の開発も推進する。先月はコートルズをはじめ、「オム(HOM)」など欧州の有名アンダーウェアブランドにセラビダを使った製品を発売し、本格的に海外市場への攻略に乗り出した。

チョン代表はこう見通す。

「ESGが話題になり、エコに対する認識が高まりました。人々の認識が変わったので、ポストコロナ時代が到来しても、人体や環境に無害で安全な抗菌剤を使用することが、さらに重要になります」

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