
韓国の食品業界では今夏、「メロン味」が一大トレンドとなっている。菓子から飲料まで、さまざまなカテゴリーでメロンフレーバーの新商品が次々と登場し、若年層を中心に注目を集めている。
季節限定の果物フレーバー商品を毎年発売している韓国の大手製菓会社オリオンは、今年も夏に向けた新作6品を投入。そのうち半数の3品がメロン味で占められた。ラインナップには、人気商品「フレッシュベリー」にメロン風味を加えた「フレッシュベリーメロン」や、しっとりチョコチップのアレンジ版「しっとりメロンチップ」、メロン果汁入りグミ「ココメロンアルメンイ」などが含まれる。
農心もメロン風味の新商品で好反応を得ている。同社は4月21日、「バナナキック」発売から約50年ぶりの後継商品として「メロンキック」を発売。国産マスクメロンと牛乳を組み合わせたこの商品は、発売1週間で144万袋を売り上げ、同時期にヒットした「モクテカン」の販売量を上回った。
また、単にスナックとして食べるだけでなく、冷凍して食べたり、ヨーグルトやアイスクリームにトッピングするなど多様な楽しみ方がSNSで拡散しており、話題性も十分だ。
コカ・コーラは先月7日、果実ソーダ飲料「ファンタ」にメロンフレーバーを加えた「ファンタメロン」を韓国国内でも発売。元々は日本限定で販売されていたが、韓国でも日本旅行のお土産として人気だったことから、韓国展開が始まった。
乳製品分野では、ソウル牛乳協同組合が3月、「ソウルウユ(ソウル牛乳)」にカンタロープメロン果汁を加えた「ソウルウユ・メロン」を発売。「まさに期待通りのメロン味」「フルーツミルクなのに後味がすっきりしている」とネット上でも好評を得ている。
このような“メロンブーム”は、味覚に新鮮さとトレンド性を求めるMZ世代(1980年代~2000年代初旬の生まれ)をターゲットにしたマーケティング戦略の一環だ。
業界関係者は「スイカやブドウ、プラムなど既存の夏フルーツはすでに出尽くした感があるが、メロンは比較的手つかずの分野で、新鮮さと親しみやすさを同時に提供できる。SNSで共有されやすいユニークな味と体験を追求する傾向が若者を中心に強まっている」と分析している。
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