韓国でおむつや乳児服などの価格が前年同月比10%以上跳ね上がり、育児の費用が天井知らずに上昇している。気候変動で世界の綿花生産量が減った影響が物価に波及したためだ。
統計情報ポータル(KOSIS)によると、先月の物価は前年同月比で▽紙おむつ11.9%▽粉ミルク4.6%▽幼児服13.7%▽児童靴6.3%――など大幅に上昇した。特におむつの上昇率は1999年2月(12.3%)以降で最も高い。
こうした価格上昇は気候変化で世界の綿花栽培に支障が生じたためだ。米国で日照りが続き、インドでは豪雨・害虫の増加で栽培量が減った。中国も異例の高い気温で綿花栽培が打撃を受けた。
昨年、米国でおむつ、綿棒、ガーゼなどが最大3倍値上がりしたが、韓国もこのような影響をそのまま受けている。
統計庁関係者は「おむつ価格は昨年8月と今年4月出庫価格が引き上げられ、乳児服は今年5~6月に新製品が出て価格が上がった。米国などの綿花の不作がおむつや衣類など全般の価格に影響したとみられる」と説明した。
韓国政府は低所得層を対象におむつや粉ミルクなどの支援に乗り出しているが、対象は2歳未満の乳児を持つ障害者世帯、多子女(2人以上)世帯など限定的だ。
最近出産した30代女性はマートに寄って驚いた。おむつや粉ミルクなどをカートに載せただけで10万ウォン(約1万1000円)をはるかに超えたからだ。「赤ちゃんに食べさせ、服を着せるだけで負担がこんなに大きいのに誰が結婚して子どもを持つのか」。同年代がこぼしているこの愚痴を、女性は今、実感しているという。
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