2025 年 3月 15日 (土)
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おばあちゃんの面倒を見る中学生 [KWレポート] 死角地帯の韓国ヤングケアラー (2)

(c)MONEYTODAY

「保育の先生が持ってきてくれたおかずが全部なくなったら、冷凍食品だけでご飯を食べなければなりません」

「弟が言うことを聞かないのが大変。学校に行く途中、ガスや電気を消したことを忘れたことも多いです」

韓国京畿道(キョンギド)抱川市(ポチョンシ)に住むユさん(14)は小学5年生の弟、そして祖母と暮らす。

ユさんはまだ中学校に入学して半年。それでも心配事でいっぱいだ。

ユさんは、両親の放任(児童虐待)により、親戚委託を通じて祖母の手で育った。今年3月には、その祖母が仕事中に大けがをしたため、家事を担当している。

今は福祉センターとつながっている。担当者が訪ねてきて、食べ物をくれ、家事を手伝ってくれる。

だが、祖母が入院した時、助けを求める先はなかった。

「誰も私たちを助けようとしてくれなかった。食事や掃除、洗濯はすべて私の役割だった」

ユさんはこうを振り返った。

ヤングケアラー(家族ケア青年・青少年)の仕事は一から十まで、簡単なことは何一つない。

「最近、祖母が退院して家に戻ってきたが、まだ痛みがあり動くことも難しい。以前は放課後、地域児童センターに行って友人たちに会っていたが、最近は祖母の代わりに夕食を用意しなければならない。自宅にまっすぐ帰る」

◇「生計支援」が必要1位…大半が複数回答

2021年に起きた「大邱青年介護人事件」は、ユさんのように死角に置かれた「ヤングケアラー」の存在を浮かび上がらせた。

今年4月、保健福祉省とソウル市がそれぞれ発表した調査によると、大半のヤングケアラーが「生計支援」を切実に求めていると回答している。同省の調査では75.6%、ソウル市では61.8%で、ともに1位だった。2位はそれぞれ医療、介護支援だった。7年間もヤングケアラーの生活を送っているキム・ヒョンジュさん(26)はこう打ち明ける。

「一部が解決されたからといって、ケアから抜け出せるわけではない。情報不足で支援金をどう使えばいいのかわからない場合もある」

保健福祉省の調査に応じたヤングケアラーの平均ケア期間は46.1カ月。3年以上の長期にわたりケアを提供していた。

一度、ヤングケアラー生活を始めれば、ケアから抜け出すのが難しくなる。ヤングケアラーの週当たり平均ケア時間も21.6時間で、「希望」とするケア時間である14.3時間より7.3時間も多かった。

(つづく)

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