
韓国で今年すでに100人を超える小・中・高校生が自ら命を絶ったことが分かった。自殺の年齢層は次第に低年齢化しており、家庭問題や対人関係、学業・進路の悩みといった多様な要因に加え、SNSなどメディアを通じた情報接触の増加も影響しているとみられる。
国会教育委員会のキム・ジュンヒョク議員(共に民主党)が教育省から受け取った「全国小・中・高校生死亡統計」によると、過去5年半で自殺した学生は1076人。このうち高校生が513人(47.6%)、中学生が36.3%、小学生が5.1%を占めた。代案教育機関に通う「学校外青少年」は統計に含まれず、実態はさらに深刻とされる。
年次別に見ると自殺リスク年齢は低下傾向を示す。2020年は死亡者148人のうち高校生が61.5%を占めていたが、2021年には高校生比率が下がり、中学生と小学生の割合が上昇。2022年以降は小学生の割合が6%前後を記録し、2023年には7%に達した。2024年は再び高校生比率が高まったが、全体として年少層への広がりが目立つ。
学生の自殺率(学生10万人あたり)は2015年1.5人から2024年4.3人に急増。統計庁が集計する全国民の自殺率が2015年26.5人から2023年27.3人と微増にとどまったのと対照的に、学生層は急激な上昇を見せた。推定原因別にみると「原因不明」を除いては家庭問題と精神科的問題が上位を占め、特に精神科的問題は2022年22件から2023年70件に急増し、鬱や不安を訴える学生が増えている。
しかし学校現場での対応には限界がある。2024年の「学生情緒・行動特性検査」では全国で1万7667人が自殺リスク群に分類されたが、そのうち13.7%にあたる2417人は専門機関による治療につながらなかった。学生や保護者の同意が必要であり、本人が正直に回答しない場合もあるからだ。加えて過密学校では相談教員が不足し、1000人規模の学校でも専任相談教員は1人に限られる例が多い。
ある相談教員は「授業を抜けると周囲に気付かれるため放課後に相談を入れるが、需要が高いと対応しきれない。保護者の同意がなければ相談自体ができない」と現場の難しさを訴える。
キム・ジュンヒョク議員は「若年化する自殺統計を見て、社会が10代の心の健康をもっと丁寧に支える必要を痛感する。家庭や学業ストレスを共有・解消できる実質的な相談環境の整備など政策的努力が必要だ」と強調した。
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