「コンテンツ王国」CJ ENMと「IPTV(インターネット経由で視聴する有料放送)1位」KTのコンテンツ血盟によるOTT統合が実を結んだ。今回の合併でCJ ENMはKTを追い風に、韓国産OTT1位トップの座を狙えるようになった。IPTVからOTTにメディア環境が変わり、コンテンツの安定的な需給先を求めていたKTは製作集中への余力ができた。世界を掌握した“OTTの巨人”ネットフリックス(Netflix)の対抗馬として立場を拡大できるか……。
KTとCJ ENMは14日、「seezn(シーズン)」と「TVING(ティービング)」の統合を公式化した。TVINGがseeznを吸収合併する形で12月1日に合併する予定だ。
合併後、コンテンツ製作専門企業KTスタジオジニーは投資目的会社「メディアグロースキャピタル第1号」とともにTVINGの株主となる。TVINGの筆頭株主はCJ ENM、それにJTBCのSTUDIO LULULALAやネイバーなどが続く。発行される合併新株38万2513株を勘案すれば、KTスタジオジニーのTVING持分率は約13.6%と推定される。
両社は今年3月、コンテンツ事業協力のための了解覚書(MOU)を締結し、パートナーシップの礎を築いた。CJ ENMは当時、1000億ウォン規模の持分投資はもちろん、スタジオジニーが製作したコンテンツの購買やチャンネル編成をはじめ、共同製作も推進すると明らかにしていた。その後、今月1日にはOTT・通信提携商品「TVING・ジニーチョイス」を発売するなど協力拡大に乗り出した。
◇地元OTT1位「Wavve」と真っ向勝負
今回の合併で、TVINGは国産OTTの中で1位の事業者である「Wavve(ウェーブ)」を超えることになった。Wavveとの合併の代わりに、KTという同盟軍とともにWavveを凌駕する事業者としてのし上がる戦略だ。
2020年、SKテレコムがWavveとTVINGの合併を提案した経緯がある。だが、CJ ENMはJTBCとの合弁法人設立に集中するとし、これを断っている。
Wavveは2019年、SKテレコムのOTTサービス「オクスス」と地上波3社「プク」の統合によりスタートした。現在、SKテレコムから人的分割した投資専門会社「SKスクエア」が約36%の持分を保有している。
seeznがTVINGに合併されれば、TVINGは韓国OTT1位の事業者になる。
ビッグデータ分析ソリューション「モバイルインデックス」によると、今年6月現在、TVINGとseeznの月間アクティブ利用者数(MAU)はそれぞれ402万人と157万人で、合わせると利用者は559万人に達する。これは韓国1位のOTTであるWavve(424万人)を上回るレベルだ。
だが、1118万人の利用者を保有しているネットフリックスには大きく及ばない。国産OTTが「連合作戦」を展開すべきだという声が出てきたのも、ネットフリックスに対抗するためには「規模の経済」が必要だという判断からだ。
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