2025 年 12月 31日 (水)
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「KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ」は成功したが…K-コンテンツ投資は停滞、高リスク構造からの脱却が急務

ソウル・教保文庫光化門店に展示されたKPOPガールズ! デーモン・ハンターズのアルバム(c)news1

2025年、世界的に大ヒットしたK-POPアニメ作品『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』によりK-コンテンツのグローバル人気が再確認されたが、国内コンテンツ投資家はこの波に乗った経済的恩恵を十分に享受できていないという指摘が出ている。

これは、韓国のコンテンツ投資が作品の興行成績に収益が依存する「プロジェクト投資」方式に偏重しているためで、専門家は今後、知的財産権(IP)に基づく投資への構造転換が必要だと提言している。

スタートアップアライアンスが12月30日に発表した「K-コンテンツ投資構造の限界とIP基盤投資の可能性」報告書によると、現在の国内コンテンツ投資は映画・ドラマ・公演など、個別作品の制作費に投資するプロジェクト型が中心となっている。

代表的な例が「母体ファンド文化口座」だ。中小・ベンチャー企業やプロジェクトに投資することを目的とするこのファンドでも、実際には投資の81.7%が作品単位に集中しており、企業成長を支える投資にはなっていない。

このような構造では、作品の成否によって投資の回収や収益率に大きな差が出るため、リスクが高く、結果的に投資そのものが委縮する悪循環を招いている。

実際、2025年第3四半期の業種別投資実績を見ると、「映像・公演・音盤」部門への投資は3995億ウォンで、全9業種中8位にとどまっている。前年比58.8%増ではあるが、依然として活発な投資環境とは言えない。

韓国文化観光研究院のヤン・ジフン副研究委員は「K-コンテンツが世界市場で成果を上げているにもかかわらず、産業としての投資環境が成熟していない」と指摘。問題は作品のクオリティや創作力ではなく、投資構造そのものにあると強調した。

そのうえで「プロジェクト型投資では、結果次第で大きなリターンも狙えるが、失敗した場合の損失リスクも極めて高い。こうした高リスク・高収益型のイメージが固定化され、安定的な投資ポートフォリオの形成が難しいという問題が繰り返し指摘されてきた」と分析する。

また、この構造の影響で、コンテンツ産業に属する企業の大多数が零細規模にとどまっている。2023年時点で年間売り上げ10億ウォン未満の企業は88.6%に達しており、多くが資本力に乏しい。

ヤン・ジフン氏は、投資リスクを下げるために「IPを活用したグッズやサービスなどの消費財ビジネスに投資対象を広げるべきだ」と提案。これは作品の成功如何に左右されない収益源を確保する戦略であり、IPを中心に派生する周辺市場をターゲットとする。

加えて、コンテンツと関連のある業種をあらかじめ投資主体として巻き込むことも重要だと指摘した。完成作品に基づいた製品化やサービス化を想定し、コンテンツ制作段階から優先権を提供するなど、戦略的な連携が可能になる。

(c)news1

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