
韓国IT大手ネイバーは、ネットフリックス配信のアニメ「KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ」の世界的な人気を受け、同社の検索機能「AIブリーフィング」を強化する。利用者からの肯定的な反応を背景に、年内には対応する検索入力の約20%まで拡大する。
作品の舞台となったソウルの観光名所や登場する韓国料理、関連グッズなどが話題となり、外国人観光客による“聖地巡礼”も相次いでいる。ネイバーのAIブリーフィングでは、作品のあらすじや用語解説、登場した場所や料理の情報、関連商品の案内などを、検索結果内で簡潔にまとめて表示する。
AIブリーフィングは2025年3月に本格提供を開始。利用者の検索意図に合わせて要点を整理し、関連コンテンツを推薦する仕組みで、7月時点で月間利用者は約3000万人。表示される検索結果のクリック率は従来比で8ポイント上昇し、ページ滞在時間も20%以上伸びたという。
最近では「KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ」に関連し、国立中央博物館の展示やグッズ、館内施設「思惟の間」などの情報も一括表示。さらに駐車場や周辺観光地の情報も提供し、訪問計画を支援している。
ネイバーはブログや掲示板「カフェ」、ショッピング、店舗情報など国内最大規模の利用者生成コンテンツ(UGC)とビジネスデータを保有。AIによる精密分析で検索品質や推薦機能の高度化を進めている。2023年比でブログ投稿数は20%増、UGC生産量は米レディットの1.4倍に達する。
同社は「AIブリーフィングはエンタメ分野でも視聴から検索、訪問までを円滑につなぐツールとして定着しつつある。今後は検索行動の分析とAI活用の知見をもとに、ネイバー全体を横断する“AIエージェント”への進化を目指す」としている。
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