
ソウルを訪れる外国人観光客の間で、韓国のファッション文化、いわゆる「Kファッション」を体感する旅が人気を集めている。中でも、ソウル市が選定した「聖水(ソンス)」「梨泰院(イテウォン)」「弘大(ホンデ)」の3地域が、それぞれ異なる個性を持つファッション名所として注目されている。
かつては製靴工場や整備工場が並んでいた聖水洞は、現在では「韓国のブルックリン」と称されるトレンドの発信地となった。古い工場建物をリノベーションしたカフェやポップアップストア、展示空間が若者や観光客の人気を集めている。
代表的なスポットには、感性系セレクトショップ「EQL聖水」や、印刷工場を改装した文化複合施設「大林倉庫」がある。また、ディオールが期間限定でオープンした「ディオール聖水」なども、グローバルブランドの新たな展示形式として話題となった。
市当局は、赤レンガ建築の保存事業を2017年より進めており、観光地としての魅力を一層高めている。
米軍基地の影響で外国人居住者が多かった梨泰院は、古くから多文化が共存する地域として知られている。現在では、アンティーク家具店、ヴィンテージショップ、ローカルデザイナーブランドの店舗などが並び、国際色豊かなファッション通りを形成している。
中でも、11月6~9日開催の「梨泰院アンティーク&ヴィンテージフェスティバル」は、クラシックな韓国の雰囲気と多国籍な文化を同時に楽しめるイベントとして注目を集めている。
芸術大学・弘益大学の周辺に位置する弘大エリアは、韓国のストリートファッションの中心地として知られる。1980年代のアートブームを手始めに、1990年代にはインディーズ音楽やバスキング文化が根づき、現在ではMZ世代(1980年代~2000年代初旬の生まれ)に支持されるブランドの旗艦店が多数並ぶ。
弘大入口駅から上水駅まで続く「レッドロード」は、ストリートアート、パフォーマンス、ポップアップストアなどが融合する「歩いて楽しむファッション通り」として整備されている。
ソウル観光財団は、「都市の個性とファッション文化が融合したエリアを歩いて巡ることで、Kカルチャーの新たな魅力を感じてもらえる」として、今後も各地域での観光資源化を推進する。
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