2025 年 1月 23日 (木)
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「AI活用が企業の命運を左右」…韓国・大手企業、AI導入・組織改革に拍車

LG AI研究所がソウル・汝矣島のLGツインタワーで開催した「Chat ExaOne」体験イベント=LG AI研究所提供(c)news1

韓国の大手企業が、AI(人工知能)の導入に全力を注ぎ始めている。自社専用のAIアシスタントの開発や、組織全体のAI適応を進める動きが加速しており、業務効率化や競争力強化を目指している。

ソウル・汝矣島(ヨイド)にあるLGツインタワーで14日、LGグループのAIアシスタント「Chat ExaOne」の体験イベントが開催された。このAIは、社員が簡単な入力をするだけで、関連する論文や国内外のニュースを即座に検索し、10秒ほどで報告書の草案を作成する機能を持つ。体験した社員らはその効率性に驚き、「新製品開発や研究が加速する」と期待を寄せた。

韓国経営者総協会の調査によると、国内大手企業の約40%がAIアシスタントを導入している。AIは「一人で百人分の働き」をこなすと言われ、報告書作成や翻訳、リアルタイムでの会議通訳、さらにはソフトウェア開発支援まで幅広く活用されている。

2022年末に登場した生成型AIは、その業務効率化の可能性が注目されながらも、データの信頼性やセキュリティに対する懸念から、韓国企業での導入は進まなかった。しかし企業は1年以上にわたる研究開発を経て、AIのファクトチェック機能を強化し、外部との提携を拡大。さらに、社内ネットワーク専用のクローズド型AIを開発し、安全性を確保した。

例えば、サムスン電子は2023年末に業務用AI「Gauss」を導入し、LGグループも最近「Chat ExaOne」を公開している。SKグループは、2025年上半期までに20以上の系列会社で業務用AIサービス「A.Dot Biz」を適用する計画だ。

大企業はAI活用のための組織改革にも着手している。SKグループは昨年、AI・デジタルトランスフォーメーション(DT)推進を目的としたタスクフォース(TF)をAI推進団に昇格させ、研究開発センターを新設。SKハイニックスとの連携も強化している。LG電子は組織再編で、未来戦略を担うCSO(最高戦略室)にAIの統括機能を追加した。

企業のトップもAIの重要性を強調。SKグループのチェ・テウォン(崔泰源)会長は「AIを活用できなければ、半導体も造船もすべての産業で競争力が弱まる」と述べ、AIが企業の生存を左右するとの認識を示した。

(c)news1

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