2025 年 11月 20日 (木)
ホーム社会「試験でAI使わない?それはおろかだ」…韓国・主要大学でまん延する「オンライン試験の不正」、学生だけ責めても解決しない

「試験でAI使わない?それはおろかだ」…韓国・主要大学でまん延する「オンライン試験の不正」、学生だけ責めても解決しない

(c)news1

最近、韓国の延世大学や高麗大学などの主要大学で、生成AIを用いた集団不正行為が相次いで摘発され、いわゆる「AI不正行為」への懸念が高まっている。だが、大学側の試験監督体制の不備が根本原因であるという指摘も多い。不正の多くがオンライン試験という監視の盲点で発生しており、学生の「モラルハザード」だけを責めても問題は解決しないとの声が上がっている。

ある私立大学に通う経営学科3年の男子学生(23)は「ZOOMを使ったオンライン試験では、ノートパソコンの画面と手元、顔を映すように求められるが、監視は非常に甘い」と語る。「画面に映らない場所にタブレットやデュアルモニターを置いて、ChatGPTを使えば簡単に不正ができる」とも証言した。

実際、学生らはAIツールを画面外で活用しながら、まるでカンニングペーパーを見るようにAIの出力をそのまま写すことが可能になっている。ZOOM上でマイクは切られており、周囲の音も拾われないため、不正行為の温床になっている。

学生たちの間では「AIを使わないと損」「使わないのはおろかだ」という認識まで広がっている。延世大学の学生コミュニティには「必死に勉強したのに、GPTを使った奴と同じ点数だった。もうバカ正直はやめた」とする投稿も現れた。

大学側の試験監督が形式的で、教授によって監督の厳しさに差があることも問題視されている。AIの使用を前提とした課題や試験が横行するなか、オンライン試験をめぐる信頼は著しく低下している。

一方、企業の採用試験などで使用されるAI監視ソリューションでは、受験者の正面・側面・モニターの画面すべてを同時に監視し、さらに音声も感知する。これにより、タブレットやデュアルモニターの使用などを効果的に防げる。

AI不正への対応としては、オンライン試験を減らし、可能な限り対面試験を実施すべきだとの意見が多い。手書きの答案提出や、プレゼンテーションを組み込んだ評価方式など、AIが介入しにくい課題設計も提案されている。

光州教育大学のパク・ナムギ教授(教育学)は「講義がオンラインであっても、試験は対面ですべきだ。オンライン試験は学習を外注化するだけで、実質的な学びにはならない。一度きりの試験で評価するのではなく、段階的な課題やプレゼンを取り入れるなど、AIに頼らず学習者自身が考えるような教育設計が必要だ」と強調した。

(c)news1

RELATED ARTICLES

Most Popular