
父親の財産70億ウォン(約7億7000万円)が晩年に再婚した継母のものになることを懸念する韓国の男性が2月27日、YTNラジオ「チョ・インソプ弁護士の相談所」に出演し、悩みを打ち明けた。
男性の話では、父親は手がける事業や投資がことごとく成功し、富を築いた。おかげで男性と妹は裕福な環境で育ち、それぞれ結婚して2人ずつ子どもをもうけることができた。
しかし数年前、母親が交通事故で亡くなった。
再婚した父親も1年後に持病が原因でこの世を去った。
遺産は不動産や金融資産を合わせて総額70億ウォンに達した。
韓国の民法では、被相続人の配偶者は直系卑属の1.5倍を相続できるため、このままでは継母が7分の3、男性と妹が各7分の2を受け取ることになる。
そこで男性は「私と妹が相続を放棄すれば継母の取り分を減らせると聞いた。相続を放棄しても問題ないのか?」と質問した。そうすれば、父親の孫4人が第1順位の相続人になり、それぞれ11分の2(4人で11分の8)を相続することになる。その結果、継母の取り分が11分の3になるのでは――という考え方だ。
しかし、解説したユ・ヘジン弁護士は「男性は過去の最高裁判例を参考にされたようだが、2023年の最高裁判決で『被相続人の配偶者と子どもがいる場合、子ども全員が相続を放棄すると、配偶者が単独相続人となる』と判断が変更された」と説明した。
これは、男性と妹が相続を放棄すると、父親の遺産全額が継母に渡ることを意味する。このためユ・ヘジン氏は「相続放棄は原則として撤回できないため、慎重に決断すべきだ」とアドバイスした。
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