2025 年 3月 16日 (日)
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「4歳・7歳受験」から医学部ブームまで…韓国の私教育費、過去最高に

年別の小・中・高校私教育費調査結果。青い棒グラフは私教育費総額、紺の折れ線グラフは学生1人当たりの月平均私教育費、紫の折れ線グラフは私教育参加率(c)news1

韓国で少子化が進む中、2024年の私教育費が過去最高を記録した。医学部人気の高まりに加え、2025年度の医学部定員増加が影響し、私教育への支出が拡大したとみられる。また、幼児教育市場の過熱も深刻化している。

韓国教育省が発表した「2024年小・中・高校私教育費調査」によると、2024年の私教育費総額は29兆2000億ウォン(約3兆2600億円)で、前年比7.7%増。調査開始以来の最高額となった。特に医学部受験を目指す浪人生や再受験生(N修生)が増加し、競争の激化が私教育費の上昇を後押ししたと分析されている。私教育への参加率は80%に達し、過去最高を更新した。

また、医学部志望者が多い上位10%の高校生の私教育参加率も前年より増加した。市民団体「私教育を心配しない社会」は、「昨年は最上位層の私教育参加率が減少したが、今年は競争圧力が強まり、受験生が私教育に頼らざるを得ない状況になっている」と指摘する。一方、教育省は「医学部定員増だけが私教育費の増加を招いたとは断定できず、さらなる分析が必要」との立場を示している。

さらに、幼児教育への支出の高さも問題視されている。教育省の試験調査によると、幼児の英語教育にかかる月平均私教育費は34万ウォン(約3万8000円)で、小学生(23万2000ウォン)、中学生(27万9000ウォン)、高校生(32万ウォン)を上回った。

ソウル・大峙洞の学習塾街では、医学部受験準備の「初等医学部クラス」に加え、「4歳試験」「7歳試験」など幼児向けの入試競争が加速。英語幼稚園や塾の入学試験が一般化し、一部の英語塾では7歳児クラスでアメリカの小学校教科書を使用する例も報告されている。

教育省は、乳幼児向け私教育市場の過熱を防ぐため、過剰な広告や不当な授業料徴収の取り締まりを強化すると発表した。しかし、具体的な規制策は未だ示されておらず、今後の対応が注目される。

(c)news1

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