
義理の両親のキムチ工場で30年間、身を粉にして働いた韓国の50代女性が、工場の経営権を義兄に奪われたというエピソードがJTBCの番組「事件班長」で取り上げられた。女性は理不尽な仕打ちに耐え、小さなキムチ店を開いて再起に乗り出した。
女性は30年前に結婚し、夫の両親の工場で働いてきた。工場は大手スーパーにも納品する規模で、義兄は公務員、夫は公企業に勤めていた。そのため義両親は女性に工場を託そうと考え、常々「この工場は嫁に譲る」と公言していた。女性もそれを信じて全力で尽くした。
無断欠勤した社員の代わりに急きょ出勤し、不当とも思える待遇にも耐えてきた。10年が過ぎたころには、工場の運営全般を任されるようになり、輸出やオンライン販売を通じて売り上げを5倍に拡大した。
しかし、ある日突然、義兄が現れたことで状況が一変した。
義兄が不倫の末に離婚し、職場を退職、財産も失って実家に戻ってくると、義両親は義兄に工場を譲ると言い出した。義兄は「社長になるから雇ってやる」と女性に言い、夫も「兄が継ぐなら仕方ない」と受け入れた。
だが、ここでどんでん返しが起こる。失望した女性が工場を辞めて小さなキムチ店を開くと、工場で一緒に働いていた社員や取引先が次々と集まり、「本当の社長はあなただ」と応援してくれたのだ。
義両親側は「レシピを盗んだ」「産業スパイだ」と難癖をつけ、訴訟をほのめかしたが、女性は一蹴。「多くは私が開発したレシピ。自分のやり方でやっていく」と自信を見せている。
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