中国江蘇省泰興の化学会社に勤務していた勤務歴20年の部門責任者の男性が、昼寝を理由に解雇されたことを不服として提訴し、勝訴した。裁判所は会社に約35万人民元(約740万円)の賠償金を支払うよう命じた。香港の有力英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)が22日に報道したもので、韓国でも話題になっている。
男性は今年初め、深夜まで仕事した翌日に出勤。疲れていたため事務所の机で1時間ほど眠った。この姿は社内の防犯カメラに記録されていた。
その2週間後、人事部は「職場での睡眠が確認された」との報告書を作成し、規則違反を理由に解雇を通告した。通知には「無期限雇用契約を結んでいたが、居眠りは会社の規則に反している」と記されていた。男性は解雇は不当であるとして提訴した。
泰興人民法院は、規則違反による解雇は可能だが、重大な損害を伴う特定の条件を満たす必要があると指摘。男性の20年間にわたる会社への貢献や初めての違反である点を考慮し「解雇は過剰で不当」と判断した。
この裁判は中国のSNSでも注目を集め、「勤務中の昼寝は確かに間違いだが、会社の対応は厳しすぎる。小さなミスで解雇されるなら、解雇があまりに簡単になってしまう」などのコメントのほか、「なんという幸運なんだ! 起きたら35万元が口座に振り込まれてるなんて」などとうらやむ声も上がった。
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