2025 年 2月 22日 (土)
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「1カ月で5kg減」韓国で話題の血糖値ダイエット…CGMの医学的根拠・コスパに疑問の声

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韓国で最近、健康トレンドとして「血糖値」が注目されている。SNSのハッシュタグ「血糖管理」は8万8000件以上も投稿され、Googleトレンドでも「血糖値」の検索数が過去最高を更新し続けている。中でも特に関心を集めているのが「血糖値ダイエット」だ。糖尿病治療薬として知られていたGLP-1受容体作動薬(例えば、ウゴービ)が「奇跡のダイエット薬」として注目を浴びたことが、血糖値管理への関心を高めるきっかけとなった。また、かつて糖尿病患者向けに開発された持続グルコースモニタリング(CGM)が、今や一般人のダイエット目的で活用されるようになっている。

38歳の会社員もCGMを利用して減量に成功した。昨年夏、「Freestyle リブレ 2」というCGMを装着し、1カ月で78kgから73kgに減量。食事や運動量が血糖値グラフにどう影響するのかを見ながら調整したという。「血糖値の急上昇がグラフで一目瞭然になると、自然と食生活を意識するようになった。例えば、小麦粉を含む食品を避け、代わりに野菜入りのビビンバを食べるなど、健康的な食事に変えた結果、自然と体重が減った」

血糖値は、血液中のブドウ糖濃度を示す。糖尿病の基準は、空腹時血糖値126mg/dL以上、食後2時間後の血糖値200mg/dL以上、またはHbA1c(ヘモグロビンA1c)6.5%以上とされる。血糖値が高い状態が続くと、血管が損傷し、目・腎臓・神経・心臓・脳などに合併症を引き起こす。

また、血糖値が急激に上昇する「血糖スパイク」も健康に悪影響を及ぼす。これが頻繁に起こると、インスリン分泌が過剰になり膵臓が疲弊する。さらに、ブドウ糖が適切に細胞へ取り込まれず、インスリン抵抗性が高まり、糖尿病や高脂血症、心血管疾患のリスクが増す。

一般的な血液検査では血糖値の瞬間的な値しかわからないため、CGMを使うことで血糖値の変動をリアルタイムで確認できる。このデータを活用し、食事や運動を調整できる点が注目されている。

しかし、CGMを活用したダイエットは科学的・医学的に十分な根拠があるとは言えない。健康な人の場合、体内のインスリンが血糖値を適切にコントロールしているため、血糖値の変動自体がそれほど大きくない。

また、血糖値だけを基準に食事を制限すると、栄養バランスを崩す可能性もある。例えば、果物は果糖を含むため血糖値を上げるが、食物繊維やビタミンが豊富なため適量を摂取することが推奨されている。しかし、CGMのデータだけを見ると「血糖値を上げる食品」として避けるべきものと誤解されることもある。

また、CGMのコストパフォーマンスも問題視されている。2週間の使用で8万~9万ウォン(約9000~1万円)の費用がかかるため、一般のダイエット手法と比べてコストが高い。すでに血糖値を管理するための情報は多く公開されており、高額なデバイスを使う必要があるのか疑問の声も上がっている。

韓国肥満学会は昨年3月、「肥満管理目的でCGMを使用することは医学的根拠がなく、個人に不必要で過度な経済的負担を与える可能性がある」と指摘。食事のバランス、定期的な運動、十分な睡眠、ストレス管理こそが健康と適正体重維持に重要であり、これらの改善にCGMが不可欠とは言えないとした。

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