「先週末、主張がぶつかり合う双方のデモ隊が競うように集会を開いたため、音がますます大きくなった。デモ隊が出す騒音が150デシベル以下だというが、これは数字に過ぎない。静かな週末の騒音に家族みな、大変だった」
ユン・ソンニョル(尹錫悦)大統領の主な出勤先とされる国防省庁舎13番出口前のマンションに住むA氏は不満顔でこう語った。
龍山区で不動産仲介業を経営する50代のB氏は「もともと龍山は、子供たちを独立させ、退職後に住む人々が多い静かな街だった。それが雰囲気がかなり変わって、龍山に住む住民にとっても、仕事をする人にとってもストレスだ」と吐露している。
龍山駅周辺の7つの団地の入居者代表協議会は、集会による被害を訴える住民たちの嘆願書を取りまとめているところだ。ユン大統領の通勤経路を団地から離れたところに変更する▽各種集会を根本的に禁止する――などを要求する計画だ。
ただ現実に、集会を禁止することは容易ではない。
裁判所は11日、「龍山の国防省庁舎にある大統領執務室は、集会デモ法上の集会禁止場所である『大統領官邸周辺』に該当しない」と判断し、集会とデモ行進を許可した。集会デモ法第11条3号は、大統領官邸と国会議長、最高裁判所長、憲法裁判所長の公館から100メートル以内の場所での屋外集会とデモを禁止している。
警察関係者は「適正な手続きで申請された集会を防ぐ方法はない。禁止通告を無視した集会や記者会見などには特に注意しながら、警護と警備に万全を期す。市民にかける不便を最小限にしたい」と話している。
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