2024 年 12月 29日 (日)
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「髪の毛より小さいマイクロ医療ロボット、詰まった血管を通す」

Startup Story ~~ 成功のカギ

アイムシステム(IMsystem)キム・ジンヨン代表

血管内治療施術用マイクロ医療ロボットシステムの概念図©MONEYTODAY

韓国保健福祉省によると、心脳血管疾患は年間診療費だけで9兆6000億ウォン。国内死亡原因の24.3%を占める。現在、心脳血管疾患を治療するための血管仲裁施術道具の中で核心である直線ワイヤー型は、方向転換が難しい。血管内で方向制御が難しいそのため、血管の壁を損傷させる恐れがある。施術時間も最大280分程度と長い。

大邱慶北科学技術院(DGIST)ロボット工学専攻のチェ・ホンス教授(技術顧問)と現在CEO(最高経営者)であるバイオ融合研究部のキム・ジンヨン研究員(42)が、2018年7月に共同創業したアイムシステムは、このような短所を克服する「血管疾患用磁性マイクロ医療ロボット仲裁技術システム」を開発した。

「髪の毛より小さいマイクロ医療ロボット、詰まった血管を通す」。これは▽3次元血管シミュレーター▽臨床用3次元磁場制御システム▽マイクロロボット(柔軟磁石)を取り付けたガイドワイヤーとカテーテルで構成されている。

マイクロロボットの大きさは直径300マイクロメートルで、さらに小さいものは80マイクロメートルもある。人の髪の毛の直径(約100マイクロメートル)より小さい。

マイクロロボットを先端に付けたガイドワイヤーとカテーテルは電磁場を通じて外部で調整でき、血管内で自由に方向を変えることができる。したがって、血管壁の損傷を起こさず、副作用を最小化することができる。

臨床用3次元磁場制御システムは、患者が横になっている手術用ベッドの下に設置されるが、電磁場を流してガイドワイヤーとカテーテルを速く精密に移動させる。これを通じて施術にかかる時間は平均30分前後だ。施術時間を大幅に減らし、医療スタッフの疲労度を下げることができるという説明だ。

血管造影装備は鮮明な映像も重要だが、診療中に医療スタッフと患者が受ける放射能量が多く、注意が必要だ。アイムシステムが開発したこのシステムは、非対面施術方式で進められ、医療スタッフの放射線露出遮断に大きく役立ち、造影剤使用量を画期的に減らして患者の安全を図ることができる。

キム・ジンヨン代表は「このような機能を通じて薬物副作用が高く、施術成功率偏差も大きかった既存の心脳血管疾患治療の短所を補完することができる」と話した。

アイムシステムのキム・ジンヨン代表(写真=アイムシステム)©MONEYTODAY

アイムシステムによると、現在、2次試作品の製作・検証段階で、来年頃に性能試験および医療機器の許認可が完了する予定だ。

キム・ジンヨン代表は「医療スタッフが手術室で使用する環境に合うようにあらかじめ使ってみた医療スタッフのフィードバックを積極的に反映して2次試作品を作っている。早ければ来年初めに製品を完成し許認可手続きを経て早ければ2023年に販売に入る計画」と述べた。

市場調査機関「リサーチアンドマーケット」によれば、世界血管造影装備市場は2027年基準で28兆ウォン、世界ガイドワイヤー市場は2028年に約2兆ウォン規模に成長する展望だ。

キム代表はDGIST研究員として2015年から4年間、チェ・ホンス教授と該当技術を研究してきた。

「すべての研究者は自分が研究開発した技術を商用化して世に知られ、有益に使われるようにするのが夢。私たちのシステムが心脳血管疾患の治療に適用されれば、施術効果だけでなく、非対面施術と次世代精密医療分野に画期的な転換点になるだろう。今後、医療用ロボット市場の成長は、実際の施術環境をどれだけ反映するかにかかっている。効果はもちろん、医療スタッフが使いやすく、経済性も備えてこそ、市場が大きくなるだろう」

これがキム代表の持論だ。

©MONEYTODAY

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