2025 年 8月 24日 (日)
ホーム社会「高齢者の将棋盤が消えた」…ソウル・タプコル公園が「娯楽行為」禁止措置

「高齢者の将棋盤が消えた」…ソウル・タプコル公園が「娯楽行為」禁止措置

タプコル公園に設置された、娯楽活動などを禁じる案内板(c)news1

ソウル中心部・鍾路区にあるタプコル公園から、長年風物詩のように並んでいた将棋盤や囲碁盤が姿を消した。7月31日から施行された娯楽禁止措置により、公園とその周辺での遊戯活動や飲酒が一切禁じられたためだ。

8月20日午前、タプコル公園は普段なら朝から高齢者で将棋盤が埋まる場所だが、この日は10人ほどの高齢者が木陰でうちわをあおぐだけで、将棋を指す姿は見られなかった。北門近くを埋め尽くしていた将棋盤や囲碁盤、酒を飲みつつ順番を待つ光景も消え去った。

鍾路区庁と鍾路警察署は、文化財であるタプコル公園の保護と周辺の美観保持を目的に措置を取った。公園内外での長時間滞留、飲酒、喫煙、将棋・囲碁などの娯楽行為、物販行為を禁じ、秩序ある観覧環境を整備する狙いだ。案内板も設置され、違反行為は文化財保護法に基づき2年以下の懲役または2000万ウォン以下の罰金が科される可能性がある。

警察によれば、公園外では強制撤去ではなく、歩道に机や椅子を並べた人々と協議して自発的に撤去させたという。

こうした措置に対し、観光客や地域住民からは「以前は通行が妨げられ雑然としていたが、今は整然とし観光客も訪れやすい」と歓迎の声がある。タプコル公園でボランティアをするキル・ビョンソクさん(67)は「外国人が抱く悪い先入観も減った」と語った。

一方で、娯楽を失った高齢者の行き場がなくなったことへの懸念も出ている。近くで飲食店を営むパク・ソンソさん(75)は「高齢者にとって将棋は唯一の楽しみだったが、突然奪われてしまい戸惑っている」と訴えた。

鍾路区庁は今後も警察と協力し、秩序維持のため取り締まりを継続する方針だが、文化財保護と高齢者福祉の間でどのように折り合いをつけるかが課題となっている。

(c)news1

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