
東京・渋谷の「ドン・キホーテ」で餃子を探すと、店員が「ビビゴ?」と応じて案内してくれる。餃子といえば「ビビゴ」という公式が日本に定着したことを示す場面だ。
韓国の大手食品企業CJ第一製糖は、ブランド「ビビゴ」を前面に押し出し、餃子を中心にトッポッキ、キンパ、チゲ類などを広げている。港区新橋にある「ビビゴマーケット」では、会社員が退勤後に餃子やトッポッキを注文し、ビール「テラ」と共に楽しむ姿が見られた。店舗看板には「bibigo」とハングルが並び、Kフードの拠点であることを明確に打ち出している。
ビビゴマーケットは世界初の常設オフライン店舗で、商品販売から食事提供、バイヤー商談までできる場として活用されている。CJ第一製糖は2023年に渋谷で開いたKストリートフードのポップアップが大盛況となったことを受け、日本市場での本格展開に踏み切った。
同社は日本をKフード拡大の戦略拠点と位置づけている。イ・ジェヒョン会長も日本を訪れ、「再燃する韓流熱は一過性でなく、Kカルチャー拡散の決定的機会だ」と強調。ビビゴを主力に攻勢をかけている。
2017年に上陸したビビゴ餃子の特徴は皮より具材の比率が高く、野菜や豆腐、春雨をふんだんに使った韓国式餃子スタイル。油分が少なく「健康的」と受け止められている。さらに、焼き・蒸しなど多様な調理法を訴求し、日本の一般的な冷凍餃子との差別化を図った。
販路も急速に拡大し、イオン全店をはじめ、コストコやアマゾン、楽天、ドン・キホーテ、ドラッグストアまで網羅。現在は日本法人の売り上げの約3分の1を餃子が占める。日本法人の売り上げは2019年の116億ウォンから2022年に3680億ウォンまで伸び、2024年には一時減少したが、2025年は再び成長軌道に戻った。
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