2025 年 9月 16日 (火)
ホームライフスタイルトラベル「韓服着用なら観光地を無料入場」にしたら…やっぱり現れた「国籍不明の衣装」の観光客

「韓服着用なら観光地を無料入場」にしたら…やっぱり現れた「国籍不明の衣装」の観光客

2025年5月18日、ソウルの景福宮で日差しを避けて休んでいる観光客(c)NEWSIS

韓服を着用すればソウルの景福宮や宗廟などの国家遺産に無料で入場できる制度が続くなか、近年「韓服」と称して実際には国籍不明の衣装が氾濫している。外国人観光客に韓国文化への関心を高めてもらうという趣旨だが、誤った韓服のイメージを定着させかねないとの批判が文化関係者から強まっている。

文化財庁の外局である国家遺産庁によれば、伝統韓服や生活韓服を着用すれば、内外の観光客を問わず五大宮殿や宗廟、朝鮮王陵に無料入場できる。実際、ソウルの韓服レンタル店では「伝統韓服」と称する貸衣装の需要が急増し、2019年を上回る売り上げを記録する店舗も出ている。

しかし貸し出されている多くの衣装は金箔刺繍や豪華なドレス風スカート、透ける素材の上着など、伝統韓服とはかけ離れたデザインだ。最近ではアニメ映画の影響で黒いトゥルマギや黒笠を着る観光客も増えているが、これも本来の韓服ではない。

韓国文化に詳しい関係者は「韓服は時代とともに変化してきたが、基本形を大きく崩して外国に伝えるのは危険だ」と指摘する。実際、中国が韓服の起源を自国の漢服に結びつけようと主張し、北京冬季五輪で韓服姿の出演者を登場させたことなどを背景に、韓国国内では「フュージョン韓服」への警戒感が高まっている。中国人インフルエンサーが景福宮で「韓服にも中国式がある」と発言し物議を醸した事例もある。

国家遺産庁は上衣やズボンの形などについて一部の指針を示したものの、強制力はなく、レンタル業者や着用者に対する規制も実施されていない。関係者は「外国人観光客が増えている今こそ、基準を明確に設けなければならない」と求めている。

(c)MONEYTODAY

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