2025 年 3月 12日 (水)
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「韓国版ディープシーク」スピード勝負…国家AIコンピューティングセンターに通信・ネット大手

国家AIコンピューティングセンター事業説明会=韓国科学技術情報通信省提供(c)news1

低コスト・高効率の人工知能(AI)モデルを武器に登場した中国のスタートアップ「ディープシーク(DeepSeek)」の衝撃を受け、韓国の情報技術(IT)業界がAI競争力の強化に向け迅速に動き始めた。AIエコシステムの基盤となる国家AIコンピューティングセンターの構築には、韓国の通信大手3社(SKテレコム、KT、LGU+)に加え、ネイバーやカカオなどの主要IT企業が参加を検討している。

ディープシークの登場は韓国企業にとっても新たな機会となるとの見方が強い。AI技術力を高め、自国独自の「ディープシーク」を開発することで、AI覇権争いにおける立場を確立しようとする動きが加速している。

ディープシークの衝撃を受け、ネット大手のネイバーとカカオも本格的なAI戦略を展開し始めた。

ネイバーの創業者であるイ・ヘジン氏は、7年ぶりに経営の第一線に復帰し、AI競争力の強化に乗り出す。過去に検索市場などで成功を収めたイ・ヘジン氏の指揮のもと、ネイバーがどのようなAI戦略を展開するか注目されている。同社のチェ・スヨン代表は、7日に開かれた「2024年第4四半期決算発表カンファレンスコール」で「グローバル先行企業との技術格差が広がらないよう、マルチモデルや推論能力の強化に注力している」と述べ、超巨大言語モデル(LLM)を持つグローバルIT企業との協業の可能性も示唆した。

一方、カカオのチョン・シナ代表は、4日にソウルでオープンAI(OpenAI)のサム・アルトマンCEOと会談し、戦略的提携を発表。数千万人のユーザーを抱えるカカオと、ChatGPTなど最先端AI技術を持つオープンAIの協力に対し、期待が高まっている。

ディープシークの登場が新たな可能性を示したとはいえ、AI競争力を強化する上で「インフラの整備」は依然として重要な要素とされる。

政府は、韓国が「AIG3(世界3大AI強国)」へと飛躍するための基盤となる国家AIコンピューティングセンターの設立を加速させている。このセンターには、SKテレコム、KT、LGU+、ネイバー、カカオなど、国内IT大手の参画が検討されている。

業界関係者は「AIエコシステムを活性化するためには、企業単独で進めるよりも政府との協力が大きな相乗効果を生む。業界では前向きに捉えている」と述べた。

(c)news1

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