
シャーマン「乾真法師」として知られるチョン・ソンベ被告を通じて、韓国大統領当時のユン・ソンニョル(尹錫悦)夫妻にに対して各種の請託をしていたとされる世界平和統一家庭連合(旧統一教会)元幹部が、過去の裁判で「自分はハン・ハクチャ(韓鶴子)総裁の息子のような存在」と証言していたことが分かった。
この幹部は、最近の検察の取り調べで「一連の請託はすべて総裁の決裁を得たうえでの行動だった」と述べたとされ、検察の捜査がハン総裁本人および統一教全体に広がる可能性が出てきた。
news1の取材によると、この幹部は今年2月25日、ソウル西部地裁で開かれた情報通信網法違反(名誉毀損)事件の証人として出廷。裁判官からハン総裁との関係を問われ、「息子のような役割をしていた」と証言した。
この幹部は、ある統一教会関係者がネット上に、自身を中傷する投稿をしたとして訴えたことで、昨年9月から法廷に立っている。
その中で、この幹部は「2018年に父が脳出血で倒れたが見舞いに行けなかった。総裁に仕えることのほうが大事だったからだ。父の臨終にだけ立ち会った。宗教的信念と教義に従い、家族より教団を優先した」と語っていた。
ソウル南部地検・仮想通貨犯罪合同捜査部は、幹部がチョン・ソンベ被告に6000万ウォン相当のダイヤモンドネックレスとシャネルのバッグなどを贈り、教団の利権に関する請託を依頼したと疑っている。
さらにこの幹部は検察に対し「これは個人の逸脱行為ではなく、ハン総裁の決裁を経た行動だった」と供述しており、教団ぐるみの組織的ロビー活動である可能性が高まっている。
法廷での証言どおり、幹部がハン総裁の“息子のような存在”として指示に従って動いていたのであれば、検察の捜査は教団そのものに焦点を移す可能性がある。
検察は最近、統一教会の財務を担っていたこの幹部の妻にも出国禁止措置を取った。妻もまもなく検察に出頭を要請される見通しだ。
検察は先月30日、ユン前大統領の自宅を家宅捜索した際に発行した令状の中で、幹部がキム・ゴニ(金建希)氏に金品を渡そうとした理由として「国連第5事務局の誘致」や「YTN(放送局)買収」などを挙げていた。
一連の疑惑に対し、統一教側は「教団としてそのような請託をした事実は一切ない」と否定している。
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