2025 年 5月 10日 (土)
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「韓国前大統領の親族経営」高齢者施設で虐待疑惑…「腐った果物、粗悪ソーセージ」元職員が語る実態

MBC報道が公開した映像より(c)news1

韓国のユン・ソンニョル(尹錫悦)前大統領の妻の実家が運営する京畿道南楊州市の高齢者施設で、高齢者虐待や不正運営の実態が相次いで告発され、関係当局が緊急調査に着手した。

この施設は2017年に開業し、ユン氏の妻キム・ゴニ(金建希)氏の母チェ・ウンスン氏の一族が運営している。代表はキム・ゴニ氏の兄キム・ジヌ氏で、幹部ポストの多くを親族で固め、実質的な管理はチェ氏が担っているとされる。

問題を告発したのは、同施設で勤務していた元介護福祉士。この人物は入所者1人あたり月37万5000ウォン(約4万円)もの食費が支給されているにもかかわらず、提供される食事があまりに劣悪だったことから、国民健康保険公団に公益通報した。

元介護福祉士によると、腐った果物が間食として出され、一つのフロアに入所する16人に対し、バナナ7本と水、ヨーグルトを混ぜたジュース1.5リットルが1本しか提供されなかった。1人あたりの間食費はわずか100ウォン(約11円)程度と見られる。

さらに、ゴム製のスプーンに前回の食べ残しが付着したまま提供されるなど、衛生状態も極めて悪かったという。「具材は釣り竿で釣り上げなければ見つからないほど少なく、ソーセージも犬にすら与えたくないような粗悪品だった」と証言している。

鼻用チューブの煮沸消毒を省略して再使用するなど、安全性を欠く対応もあった。

深刻な事例としては、昨年12月に80代の入所者が10日以上にわたって下痢と血便の症状を示していたにもかかわらず、3週間近く放置され、病院に搬送されたものの死亡したという。

医師が常駐しない施設にもかかわらず、経済的な理由から病院搬送が遅れた可能性が指摘されている。入所者が病院で治療や入院を受けると、施設に支払われる介護給付金が半額になる仕組みが背景にあるという。

また、認知能力のある高齢者の手足を24時間ベッドに縛るといった身体的拘束が日常化していた実態も明らかになった。

この施設は2021年、国民健康保険公団の定期評価で「高齢者の人権保護」や「排泄管理」などの項目で最低評価の「不十分」とされ、2019年には南楊州市の監査でも、食材費の不正使用や身体拘束の記録義務違反が摘発されていた。

それ以前の2018年と2021年にも、高齢者虐待の疑いで調査が進められていたが、いずれも「問題なし」と結論付けられていた。

(c)news1

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