
韓国のコンビニエンスストア業界で2大勢力とされるCU(運営=BGFリテール)とGS25(運営=GSリテール)が、海外市場で急速に勢力を拡大している。K-カルチャー人気を背景に、アジア市場で「K-コンビニ」としての支持を得ており、現地のフランチャイズ展開を通じて店舗数を急増させている。
業界関係者によると、2025年2月末時点で、CUの海外店舗数は637店、GS25は626店に達した。いずれも現地企業と提携し、経営ノウハウを提供する「マスターフランチャイズ(MFC)」方式を採用している。
CUが2023年に韓国の流通業界で初めて海外店舗600店を突破できた最大の要因は、モンゴル市場での圧倒的な成長にある。モンゴルCUの店舗数は現在460店で、現地コンビニ業界全体の約70%を占めており、年内には500店の突破が見込まれている。
その成長スピードも注目される。2018年の進出後、100号店達成まで約26カ月、200号店までは18カ月かかったが、300号店まではわずか10カ月、400号店から460店に増えるまでは8カ月しかかからなかった。
背景にあるのは、やはりK-カルチャーの影響だ。韓国の食品やトレンドに慣れ親しんだ消費者が多く、モンゴルではCU1店舗あたりの1日来客数が韓国の約3倍にあたる1000人、PB商品「GETコーヒー」の販売量は韓国の10倍である1日200杯以上にのぼるという。
また、CUはマレーシアでも急成長している。2021年4月の1号店オープンからわずか1年3カ月後の2022年7月には100号店を達成し、現地業界で最短記録を更新した。2028年までに500店舗の展開を目指している。
カザフスタンでは2023年に1号店を開き、現在27店を展開中。店舗売上の約65%を韓国製品が占めるなど、韓流の存在感が際立っている。2029年までに500店舗体制を構築し、周辺国への進出も視野に入れている。
GS25はベトナム市場に重点を置いている。2018年1月にホーチミンで1号店を開いてから、2025年2月末には355店舗まで拡大。今年3月には、同国製薬企業「チュンソンファーマ」と提携し、ベトナム初の「薬局併設型店舗」をオープンした。
パンデミック中も積極的な出店を継続し、2021年以降はブランドコンビニとして唯一フランチャイズ展開も実施。その結果、同業他社のサークルKやファミリーマートを上回り、南部ベトナムで店舗数1位、全国では2位を獲得している。
さらに、首都ハノイを含む北部地域にも初進出し、同時に6店舗を開業。今年中に薬局併設型店舗を10店、北部地域では新たに40店を開設する計画だ。
GS25はまた、2021年に進出したモンゴルでも急成長しており、当初34店だった店舗数は現在271店へと、約9倍にまで増加している。
(c)news1