最近、中東とヨーロッパで韓国製の武器を導入した国家の「口コミ」が周辺国家の購買意欲にプラスの影響を及ぼしているという分析が出ている。
産業研究院のチャン・ウォンジュン研究委員は2月26日、「最近、防衛産業の輸出で口コミが広がっている。同じ圏域の国家どうしの軍事訓練と交流の頻度が拡大し、隣接国の武器契約の影響を受ける側面がある」と話した。
最近、サウジアラビアに対するLIGネクスワンの「天弓-Ⅱ」輸出契約が代表的だ。サウジが昨年11月、約4兆3000億ウォン(1ウォン=約0.11円)規模の「天弓-Ⅱ」10基のミサイルシステム購入契約を結んだ事実が今月初めに公開された。これは2022年1月のアラブ首長国連邦(UAE)に対する4兆ウォン規模の「天弓Ⅱ」輸出契約以来2度目だ。
サウジとUAEは最近、湾岸地域の主導権をめぐって競争が激化しているが、軍事的に長年の協力関係がある。サウジは2015年、イエメンの親イラン武装組織フーシ派に空襲を加え、イエメン内戦に介入し、UAEなどと連合軍を組んで軍事作戦を実行したが失敗した。
その後、サウジとUAEを狙ったフーシ派の空襲が続いている。2022年1月には、フーシ派がUAEのアブダビ国際空港にドローン攻撃をすると、サウジが主導する同盟軍が報復空襲に出た。
このように中東地域で防空兵器体系の需要が大きい状況下で、UAEが天弓Ⅱを導入したことが、サウジの決定に影響を及ぼしたものと見られる。これを受け、UAEやサウジと隣接するカタールへ輸出する可能性もある。シン・ウォンシク国防相は今月初め、UAE、サウジ、カタールの国防相と相次いで会談し、国防・防衛産業の協力を強化することにした。
ロシアのウクライナ侵攻後、軍備を増強している東欧も同様だ。ハンファ・エアロスペースは2022年7月、K9自走砲672門を供給する内容の基本契約を結び、同年8月に1次実行契約(212門)、昨年12月に2次実行契約(152門)を締結した。1次実行契約2カ月後の2022年10月に24門を初めて出荷した後、順調に納品中だ。今後、ポーランド現地でK9のメンテナンス部品も生産する計画だ。
ポーランドと同様に、軍の現代化事業を進めているルーマニアは、今年上半期にK9を54門導入することが有力視されている。ポーランドは南側、ルーマニアは北側の国境をウクライナと接しており、両国は北大西洋条約機構(NATO)加盟国で、軍事協力を強化している。
両国は相手国に軍隊を相互駐留させており、昨年3月には防衛産業共同技術委員会を設立して兵器体系を共に開発することにした。当時、ポーランドのマリウシュ・ブワシュチャク国防相は「われわれは軍の現代化を進めており、似たような装備を購入している。同じ装備とも言える」と述べた。
ポーランドがK9自走砲とともにFA-50、天武多連装ロケット、K2戦車を導入し、この兵器体系が今後ルーマニアにも導入される可能性がある。まずルーマニアは歩兵戦闘装甲車導入事業でハンファ・エアロの「レッドバック」装甲車を候補機種として検討している。
(c)news1