2026 年 1月 12日 (月)
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「電気を食う怪物」AI、日本並みの消費予測…韓国、老朽化した「独占型」電力網が足かせに

(c)MONEYTODAY

人工知能(AI)の急速な普及により、データセンターの電力需要が爆発的に増加する中、韓国ではインフラ整備の遅れと規制の壁が深刻な課題となっている。温室効果ガス排出削減の国際目標と、電力多消費型産業の拡大という「二重のプレッシャー」が、既存の電力体制に構造的な限界を露呈させている。

国際エネルギー機関(IEA)の予測によると、世界のデータセンターにおける電力消費量は、2022年の460TWh(テラワット時)から2026年には1050TWhへと、わずか4年で2倍以上に増加する見通し。これは、韓国の年間電力消費量(約568TWh)の2倍、日本の年間消費量(約940TWh)に匹敵する規模である。

AIは学習・推論のプロセスで複雑な演算を繰り返すため、膨大な電力を必要とする。さらに、これに伴って発生する熱の冷却にも多くの電力が費やされる。まさに「電力を吸い込むブラックホール」の様相を呈している。

韓国もAI戦略に本腰を入れており、NVIDIA製GPUを26万枚導入し、全国でデータセンター建設が進んでいる。しかし、その一方で電力供給インフラは追いついていない。特に、地方で発電された電力をデータセンターなどの消費拠点へ送る「送電網」の容量不足と老朽化が深刻だ。

新たな送電網建設は、住民の反対運動(NIMBY=Not In My Back Yard)によりたびたび頓挫している。例えば「北唐津-新唐井線」は計画から12年6カ月も遅延した。

これに対し、「地産地消」型モデルが代替案として注目されるが、既存の中央集権的な電力市場制度では効果を発揮しにくい。特に地方に分散された再生可能エネルギー発電事業者が増加しているにもかかわらず、その電力を効率的に流通させる仕組みが整っていない。

韓国では2001年に韓国電力(KEPCO)の発電部門を6社に分割した後も、送電・配電・小売部門は依然として国が独占しており、市場改革はほとんど進んでいない。送電網への民間投資や電力販売市場の自由化は、いわゆる「民営化不安」により政治的な抵抗に遭っている。

気候変動対策に取り組む非営利団体「Climate Solution(気候ソリューション)」は「現行の火力発電中心の電力市場は、再生可能エネルギー拡大の方向性と相容れない」と指摘。新たなエネルギー産業の育成や、再エネ電力を企業が直接購入する「電力購入契約(PPA)」の普及のためにも、抜本的な市場改革が急務だと強調する。

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