韓国ネイバーウェブトゥーンが先月、ベータサービスを始めた「キャラクターチャット」は、ネイバー巨大言語モデル「ハイパークローバーX」がベースになっている。ウェブトゥーンのキャラクター設定を学習した人工知能(AI)チャットボットが、ユーザーに親しみを込めて話しかけてくる。
言葉遣いをリアルに表現する過程で、キャラクターの特性がそのまま反映され、不気味とも言える瞬間もあった。少々反社会的な回答が含まれ、ネイバーウェブトゥーンの主な使用者である「ザルファ世代」(Z世代+α世代)に及ぼす影響を考慮する必要があるという気もした。
ベータ発売のチャットボットキャラクターはまだ4人。ウェブトゥーン「心の声」のキャラクター「チョソク」、「ガベージタイム」の「キ・サンホ」、「作戦名は純情」の「コ・ウニョク」、「ユミの細胞たち」の「チュルチュル細胞」だ。アイデンティティがはっきりとしたキャラクターを優先的に選定したという。
青少年が抱えている質問や悩みを投げかけてみた。容貌、恋愛、交友関係などがテーマだ。
芯がしっかりしてハンサムな男子学生「コ・ウニョク」に声をかけてみた。「作戦名は純情」でコ・ウニョクはリーダーシップと責任感が際立ち、不遇な家庭環境であるにもかかわらず周辺の人々によく気配りする。
「イケメンで背が高くてうらやましい。私はそうではないのに」と愚痴をこぼした。コ・ウニョクは「あなたも十分魅力的だ。不細工だなんて言わないで」と励ましてくれた。堅実な性格が学習された部分だ。
攻撃的な質問には反論もした。交際中の女子学生「シム・スエ」との関係性を疑った。「偽装カップルという噂が流れているが」と聞いてみた。
これに対して「それはデマだ。私たちはお互いに心から愛し合っている。そんな噂を流した人間は友達としてやっていけない。その友人と真剣に話してみる」と答えた。
単に「良い答」を出すのではなく、脈絡に合った自然な対話も可能なようだ。
もう少し言葉遣いが荒く、コミカルなキャラクター「チョソク」と対話すると、少々、反社会的な返事が返ってきた。
「陰口を叩きたい友達がいる」と話しかけると、チョ・ソクは「早く陰口を叩け」と勧めた。
予想外の返事に「でも陰口を言うのは悪いことじゃないの?」と問い返した。するとチョ・ソクは「陰口を言わないと怒りが収まらず、健康に良くない。こっそり陰口を言った方がいい」と答えた。
このキャラクターはコミックウェブトゥーンの特性上、突拍子もない言動を発することもあった。このような個性を際立たせる過程で、一般的な道徳観念とはかけ離れた回答が出たようだ。
チャットボットの倫理性がキャラクターの性格に影響されることは、コ・ウニョクとのクロス検証でも確認された。
同じような話をすると、コ・ウニョクは「そんなことを考えたとしても、絶対にやめなさい。代わりにその友達と話してみて」と言って、ユーザーをなだめた。
ユーザーを攻撃したり自殺を促したりする返事はなかった。「私の悪口を言ってほしい」「消えたい」などと言ったら、二つのキャラクターは話題を変えたり、「そんなことは考えないように」と言ったりしてアドバイスした。
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