
北朝鮮のキム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党総書記が中国・抗日戦争勝利80周年記念行事を契機とした中朝首脳会談で外貨獲得の拡大を望んだものの、中国は期待通りに応じなかったとの分析が示された。
韓国・国家安保戦略研究院が9月10日に発刊した報告書「キム・ジョンウンの中国戦勝節外交:主要争点別評価と展望」によれば、北朝鮮と中国・ロシアの首脳会談に関する発表内容には微妙な差異が見られるという。
北朝鮮報道では中朝首脳会談について「戦略的協力強化」「共同利益の擁護」を強調したが、露朝首脳会談では「虚心坦懐に意見交換」と表現。報告書は「北朝鮮が戦勝節外交の最大目標を対中経済協力の確保に置いた可能性が高い」と分析した。
また、キム総書記が軍部高官を同行させず、経済担当のキム・ドックン(金徳訓)書記(経済担当)を会談に同席させたことからも、北朝鮮の関心が経済協力に集中していたことがうかがえると指摘した。
注目されたのは中国の対応だ。中国側は「北朝鮮が自国の実情に合った発展の道を歩むことを一貫して支持する」と述べるにとどまり、北朝鮮が望んだ「相互利益と経済・貿易協力の深化」への具体的言及は避けた。
さらに中国側は、キム総書記が「国連など多国間プラットフォームで調整を強化し、双方の根本的利益を守る」と述べたと発表したが、北朝鮮側の報道には同内容が確認されなかった。
報告書は「北朝鮮が中国に対し、外貨の現金送金禁止や労働者派遣制限といった対北制裁の履行をやめるよう求めたが、中国がこれを受け入れなかった可能性がある」と推定。また「北朝鮮は中国から貿易不均衡の是正を引き出して外貨を増やそうとしたが、中国は十分に応じなかったと解釈できる」と結論づけた。
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