2025 年 5月 31日 (土)
ホーム経済流通「酔うのではなく楽しむ」…韓国・若者世代がハマる「軽いお酒」ブーム拡大

「酔うのではなく楽しむ」…韓国・若者世代がハマる「軽いお酒」ブーム拡大

(左から)ハイト眞露の「梅花酒」、ロッテ七星の「セロ ダレ」(c)news1

韓国の酒類市場で“低アルコール”トレンドが本格化している。ハイボールやノンアルコール製品などが若年層のライフスタイルに合致し、特にMZ世代(1980年代~2000年代初旬の生まれ)を中心に「軽く楽しめるお酒」への関心が急速に高まっている。

業界によると、ハイト眞露は代表的な梅酒ブランド「梅花酒」のアルコール度数を従来の12度から9度に引き下げ、2020年以来5年ぶりにリニューアルした。これは、飲酒に対する認識が「どれだけ飲むか」から「どう飲むか」へと変化していることに対応したものだ。

ロッテ七星飲料はゼロシュガー焼酎「セロ」にキウイ果汁を加えた「セロ ダレ」を12度の低アルコール仕様で発売。GS25もオーク樽熟成の米焼酎をブレンドした「鮮洋オーク焼酎」の度数を16度から14.9度に下げた新商品を投入し、発売直後に品切れとなるなど高い関心を集めた。

このような低アルコール酒の相次ぐ登場は、若者を中心に“酔うため”ではなく“雰囲気を楽しむ”という飲酒文化の変化が背景にある。人と自然に交流しながら心地よく酔う、そんなスタイルにマッチした「軽い酒」が新しいスタンダードとして台頭している。

企業側も単に度数を下げるだけでなく、ブランドの感性や体験価値に訴える戦略を打ち出している。「梅花酒」は伝統的なイメージにスタイリッシュなパッケージを加えリブランディングされ、「セロ ダレ」はフルーティーな香りで個性を打ち出した。「鮮洋オーク焼酎」はプレミアムブレンド焼酎としてポジショニングし、品質向上とイメージ刷新を図っている。

低アルコール化の流れは一時的なブームではなく、構造的な変化として定着している。1970~80年代には25度前後が一般的だった焼酎の度数は、2000年代に20度台、2010年代に17度台へと段階的に下がり、現在では「チャミスルフレッシュ」「ジンロ」「セロ」がいずれも16度前後、「チョウムチョロム」も16.5度と、かつての常識が大きく変化した。

さらに、健康を損なわない飲酒文化を志向する「ヘルシープレジャー」の潮流と重なり、ノンアルコール・ローアルコール製品への関心も高まっている。特にノンアルビール市場は目覚ましい成長を見せており、ユーロモニターによれば、韓国の無・低アルコールビール市場は2012年の約13億ウォンから、2025~2027年には約2000億ウォン規模へと急成長する見通しだ。

業界関係者は「若者を中心にお酒はストレス解消の道具ではなく、人とつながるコンテンツとして消費されている」とし、「飲み過ぎの負担が少ない低アルコールやノンアル製品の人気が今後も続くだろう」と見通している。

(c)news1

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