2025 年 12月 24日 (水)
ホーム社会「酒もダメなのか」ソウル・タプコル公園の「禁酒区域化」に賛否…「高齢者の居場所」消える懸念も

「酒もダメなのか」ソウル・タプコル公園の「禁酒区域化」に賛否…「高齢者の居場所」消える懸念も

2025年12月9日、ソウルのタプコル公園に掲げられた「禁酒区域」の横断幕(c)news1

高齢者の溜まり場として知られるソウル市鍾路区のタプコル公園が、来年3月31日までの啓発期間を経て、同年4月1日から禁酒区域に指定される。飲酒が摘発された場合、10万ウォン(約1万1000円)の過料が課されることになり、市民の間で賛否が分かれている。

同公園はすでに囲碁や将棋などの活動が制限されており、今回の禁酒措置によって、公園を訪れる高齢者たちの「唯一の憩いの場」がさらに狭められたとの声が出ている。一方で、市民の中には「酔客による騒音や迷惑行為が減って良い」と歓迎する意見もある。

現場では12月9日午前にも、公園北門付近で高齢の酔客たちが大声を上げながら徘徊したり、ベンチに座って焼酎を飲んだりする姿が見られた。横断幕には「タプコル公園の内外は禁酒区域です」と明記されているが、無視されている。

とはいえ、鍾路区庁が12月1日から啓発を始めて以降、明らかに酔客の数は減っており、区の関係者は「ソウル駅や清涼里、永登浦などから高齢者が流入してくるが、繰り返し指導する中で徐々に飲酒が減っている」と説明した。

蘆原区から毎日公園に通うという85歳の男性は「以前はここで酒を飲んで争ったり寝込んだり、立ち小便も日常茶飯事だった。今はとてもきれいになって良い」と述べ、禁酒措置を歓迎する姿勢を示した。

一方で「酒一杯も許されないのか」という反発の声も強い。76歳の男性は「お金のない高齢者がマッコリ1本飲んだだけで取り締まられるのは過剰対応だ」と憤る。「仕事もなく、社会での役割もない高齢者が、せめて公園で囲碁や将棋をしながらマッコリを飲むのを止めるのは、高齢者虐待ではないか」と批判した。

専門家もまた、一律の禁止ではなく、高齢者が利用できる余暇空間の整備が必要だと指摘している。梨花女子大学社会福祉学科のチョン・スンドゥル教授は「高齢者が安心して過ごせる健全な空間をつくることが先決だ」としたうえで、「ソウル老人福祉センターのような代替施設の案内を、地域レベルで充実させるべきだ」と提言している。

(c)news1

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