
韓国で、タイトな日程で名所を駆け足で巡るより、歩き、撮り、滞在する“スロー旅行”が広がる中、慶尚北道慶州市が滞在型観光都市として注目を集めている。遺産、夜景、路地、美食を一度に楽しめるのが魅力だ。
慶州観光の象徴は、世界遺産の仏国寺(プルグクサ)と石窟庵(ソックラム)。単に「見る場所」ではなく、「滞在し感じる空間」として消費されている。吐含山(トハムサン)の静寂な空気は、写真以上に現地での体感を重視する旅行者に深い印象を残す。
日が暮れると街の表情は一変する。東宮と月池の夜景は慶州旅行のハイライトだ。ライトアップされた池と楼閣が幻想的な風景をつくり、夜の散策と撮影を同時に楽しめる。“夜こそ美しい都市”との評価も高い。
市内中心部では徒歩動線が自然につながる。大陵苑(テルンウォン)の石垣道から瞻星台(チョムソンデ)周辺まで、遺跡間の距離が短く「移動ストレスのない旅行」が可能だ。昼は散策、夕暮れは写真スポットとして活用できる点も、MZ世代(1980年代~2000年代初旬の生まれ)に支持される理由となっている。
現在の慶州を象徴するのが皇理団(ファンリダン)通り。韓屋とローカルショップ、カフェが調和する路地は、伝統と日常が共存する空間だ。短時間の滞在でも満足度が高い。
自然を満喫するなら吐含山のトレッキングや普門(ポムン)湖散策が選択肢となる。本格登山ではなく、気軽な散策型コースで負担が少ない。
締めくくりは美食。慶州サムパプ(包みご飯)通りでは地元食材を生かした料理を味わえ、単なる“食べて終わり”ではなく、街の日常を体験する時間となる。
華やかなイベントよりも、遺産・夜景・路地・散策という明確な個性を持つ慶州。昼と夜で異なる表情を見せるこの都市は、スロー旅行を求める世代の代表的な目的地として存在感を高めている。
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