「一生ひとりで生きるなら、家は必要」。こう語るのは韓国の35歳女性。今年3月から毎週のように物件を見学し、地域の雰囲気や価格情報をまとめた視察レポートを作成している。独身生活を選んだ彼女にとって、家は単なる居住空間ではなく、老後に向けた資産形成の一環だ。物件視察は購入を前提に、実際に現地を訪れて確認する作業だ。彼女は「物件視察で地域の実際の雰囲気がわかり、生活感が掴める」として、今後の住環境を丁寧に確認する。
20~30代の女性たちの間で、このような物件視察スタディが人気を集めている。不動産投資や資産形成に関心が高まる中、特に30代のある女性は「知人が一人暮らしで抽選に当選して家を購入したのを見て、自分も家を持つべきかと考え始めた」と話す。また「生活と資金が密接に関連しているのを実感し、不動産や経済に自然と関心が向くようになった」と述べている。
物件視察スタディは、地域の雰囲気を把握する▽実際の居住を目的とする――の二つに分かれる。ある女性は実際に住むことを前提に、予算に合った物件を中心に視察する。また、ある女性は情報収集のため、YouTubeや有料不動産講座を活用し、週1回のスタディに参加している。「雰囲気視察では不動産業者を利用せず、購入の意志が固まれば予算に合う物件を提示してもらう」そうだ。
若い女性らのスタディは今後さらに広がりそうだ。統計庁によると、20~39歳の女性一人暮らし世帯は年々増加し、2021年の約110万人から2023年には約119万人に達した。このため、不動産教育市場においても若い女性が主要顧客層として浮上している。
物件視察スタディを有料で運営する30代の男性によると、SNSにおける不動産インフルエンサーの増加も、20~30代の関心を高めている要因だという。参加者の約半数は20~30代で、特に女性の割合がやや高い。彼は「若年層が不動産に関心を持つのは、生活基盤の確保を意識しているから」と述べた。
不動産経済研究所のキム・インマン所長は「資産形成は一人暮らし女性にとっても重要だ。家を後回しにできない時代となっているため、この現象は続くだろう」との見解を示した。
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