2025 年 5月 12日 (月)
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「資源回収は立派な労働」…韓国・現場に寄り添ったリヤカー開発の秘話

(c)MONEYTODAY

ソウルの労働環境健康研究所が重さを半分以下に抑えるなど廃品回収の高齢者が使いやすいよう配慮した「黄色いリヤカー」を開発した。

人間工学の専門家ホ・スンム・チーム長が1年以上かけて考案。まず、着目したのは平均57キロもある重さだ。廃品を積めば総重量は軽く100キロを超える。

チーム長は高齢の廃品回収者12人に密着し、体への負担を数値化。その結果、平均年齢78.8歳、身長155.8cm、体重51.4kgの彼らは1日平均900回以上も腰をかがめ、200回以上リヤカーを押し引きしていることが分かった。

こうしたデータをもとに、強度を保ちつつ軽量化を図った新型リヤカーを設計。鉄製で網構造にすることで、重量を26キロまで軽減。過積載を防ぐため積載量を60キロ程度に抑えた。
手すりの高さは3段階調節。交換しやすく長持ちするノーパンクタイヤを採用した。

狭い路地でも車と接触しないよう、リヤカーの幅を従来の1200ミリから800ミリに縮小。車体を黄色にしたのも夜道での視認性を高めるためだ。

中学生の「手すりに切れ目を入れたら?」というアイディアも採用。おかげで腰を深く曲げずに中に入れる構造に改良された。

試作リヤカーを使ってみた5人の意見を反映し、40台を製作。お披露目の会では、高齢者たちから「これまで使っていたのと全然違う」「すごくいい」といった反応があった。

このプロジェクトを主導した団体「今日の行動(オヌレヘンドン)」のソ・ギョンウォン代表は「リヤカーを引いている方々はゴミを拾っているのではなく、資源を再生する仕事をしている立派な労働者。私たちはその労働をより安全にする責任がある」と話している。

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