韓国進歩(革新)系「共に民主党」などの野党は27日、国会運営委員会でチョン・ジンソク(鄭鎮碩)大統領秘書室長(閣僚級)をはじめとする大統領府の参謀を相手に、ユン・ソンニョル(尹錫悦)大統領の人事を巡り「親日」疑惑を提起するなど攻勢を展開した。
国会運営委員会は同日、全体会議を開き、大統領府に対する質疑に入った。チョン室長はこの日、故ノ・ムヒョン(盧武鉉)元大統領の名誉を毀損した事件での控訴審のため、午後5時を過ぎてから運営委に出席した。
◇「解任すべきだ」
野党はまず、ユン大統領の人事について「親日」だと追及した。
韓国では最近、独立記念館の館長に任命されたキム・ヒョンソク(金亨錫)氏が「植民地支配を美化するニューライト(新保守)系の人物だ」として反発が広がっている。
共に民主党のコ・ミンジョン議員は「国民世論調査を見ても、70%近くが任命撤回を求める回答が出ている。解任する意向はあるか」と圧力をかけた。これに対し、チョン室長は「解任理由に該当しないと考える」と答弁した。
同党のノ・ジョンミョン議員も「キム・ムンス雇用労働相候補者が聴聞会で『日本統治時代、朝鮮人は日本国籍だった』と発言した事実を知っているか」と問い、「大統領に指名撤回を提案する考えはないのか」と追及した。これに対し、チョン室長は「個人的には適切でないと考える」としつつも「雇用労働相に対する任命には、さまざまな背景と大統領の人選の意向があると考える」と答えた。
チョン・ヨンギ議員もまた「親日的で近代化論を主張する閣僚候補者たちは全員、大統領府が任命しているのに、民主党が『親日フレーム』で攻撃していると言えるのか?」と指摘した。これに対し、チョン室長は「親日史観や植民史観に対する判断や評価は、機械的であってはならないと考える」と反論した。
「親日フレーム」とは、進歩派が保守派を攻撃する際、相手を「親日的」とレッテルを貼って批判するための枠組みを指す。
◇「親日派の密偵」
野党はキム・テヒョ(金泰孝)大統領府国家安保室第1次長の「重要なのは日本の心」という発言も問題視した。
キム次長は今月16日、KBSニュースで「過去の問題で日本が顔を背けて必要な発言をしなければ、厳しく追及し、変化を試みなければならない」と述べつつも、「重要なのは日本の心であり、心がない者を責め立てて強制的に謝罪を受けた時、それが果たして真実か、日韓関係に役立つのか、考えてみるべきだ」としたうえ「ユン大統領と岸田文雄首相との信頼関係はかなり強い」とアピールした。
共に民主党のソ・ミファ議員はキム次長に対し、「あなたは親日派の密偵なのか」と問いつつ「公共放送KBSに出演して堂々とこうした発言をするから、密偵と言われるのではないか」と批判した。
野党「チョ・グク革新党」のシン・ジャンシク議員はキム次長に「ニュライトか」と問いかけ、キム次長は「違う」と答えた。
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