専門家は行列を「商品を獲得できなければ後で後悔しそうだ」という「後悔理論」で説明する。
さらに「昨今のような厳しい景気では、自分の人生で小さなことを達成して喜びを味わうこと(小確幸)に人々が満足感を覚えている」と説明した。
仁荷(インハ)大学のイ・ウンヒ教授は、人々が理由もなく並ぶわけではないと力説している。
「人々が並んでいる場所を見れば、価格に比べて商品が良いところだったり、それなりに並ぶ価値があるところ」
暗い経済状況の中で、大福やチキンなどに並んで喜びを味わうというのは寂しい感じもある。だが、また別の観点でみると、つらい状況でも日常の小さな幸せでうまく困難を克服するのだという人々の意志が込められている、とも考えることができる。
特に、MZ世代(1980年代~2000年代初旬の生まれ)が並ぶことに熱狂する理由については、既成世代とは異なる世代の特徴があるという分析もある。
仁川(インチョン)大学消費者学科のイ・ヨンエ教授の指摘はこうだ。
「経済成長期の既成世代には『消費=所有』という概念がある。でも、経済的に余裕のないMZ世代にとって、消費は価値(体験)なのだ。最近のMZ世代は中古品取引や、共有して消費するなどに関心が高い。体験を重視するMZ世代は、並ぶことに関心が高い」
(c)news1