2024 年 10月 18日 (金)
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「虐待されるのは犬ではなく人」 [KWレポート] 犬肉は過ぎ行く (8)

大邱(テグ)市の七星(チルソン)市場路地にある補身湯(ポシンタン)の店(c)news1

「虐待されるのは犬ではなく人です。動物保護団体が、商人の生存権を脅かしています」

犬農場と犬肉流通業を25年間運営してきたある社長はこう訴えた。

「動物保護団体に作業場(犬の食肉処理場や農場)を5回も襲われ、5回も引っ越すことになった」。引っ越し費用や団体との交渉のための弁護士費用などで、15年間で13億ウォン(約1億4380万円)かかったという。

「依然として多くの国民が犬肉を食べている。食事の選択は、あくまで個人の自由だ。犬の肉を食べるか、食べないかは個人の価値観で決めれば良いことだ。犬食が嫌いだ、と相手を非難したり、嫌悪したりするこはできない」

社長はこう言い切った。

◇「ペットの魚を育てながら刺身を食べている」

韓国政府が「犬の食用」を巡り、関連法規を通じた制裁に乗り出すことを明らかにすると、大韓肉犬協会など業界団体は強く反発した。

関連立法はまさに、待ったなしの状態だ。ソウル市議会では犬の肉を売れば過料を賦課するという条例案も発議された。

大韓肉犬協会のチュ・ヨンボン生存権闘争委員長は次のような論理を展開した。

「数千年間続いてきた犬の食用を禁止することは、基本権である食住権を侵害することだ。食用犬は最初から食用を目的に育てられるので、ペットとは違う。ペットの魚を育てながらでも、魚を刺身で食べるのではないか。消費があるから生産、販売するのであり、消費が減れば自然に消滅するだろう。こうした問題に政府が介入するのは、資本主義の自由市場体制に合わない」

◇「補身湯は健康食品であり伝統料理」

昨年、農林畜産食品省が施行した「食用犬飼育・流通実態調査」によると、食用として年間犬38万8000匹余りが消費されていた。昨年2月時点で、食用犬農場は全国に1156カ所あり、補身湯など犬肉を売っている飲食店は1666カ所と集計された。

忠清南道(チュンチョンナムド)で8年間、補身湯専門店を運営する社長(60代・男)は「大都市で補身湯飲食店が消滅しているため、お客さんが地方にやって来る。『国内で食べられなくなれば、ベトナムや東南アジアに行って食べる』と話す客もいる」と語った。

この社長の店では、年平均2億~3億ウォン(約2212万~3319万円)の売り上げがある。犬肉の補身湯が全体の40%を占めるという。

社長は次のように主張している。

「精進・宮中などさまざまな食文化がある。補身湯は健康食品であり伝統料理であるため、一つの料理として尊重すべきだ。動物保護団体や政治家らが犬肉に悪い印象を植え付けた。実際には、食肉処理や流通過程は牛や豚よりも衛生的だ」

犬肉流通業者の社長は「犬の食肉処理方法も、国民感情に配慮し、豚と同じ方式をとっている。窒息させた後、放血する」と説明する。二酸化炭素を体内に注入して麻酔を誘導し、続いて呼吸停止を誘発して死亡に至らせる安楽死だ。

韓国では昨年改正された動物保護法が4月27日から施行され、動物を任意で殺す行為をはじめ、食用を目的に犬を食肉処理することを「動物虐待」として処罰できる法的根拠が設けられた。

事実上、犬の食肉処理・食肉処理が違法化したことになる。

(おわり)

(c)MONEYTODAY

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