2024 年 11月 16日 (土)
ホーム経済流通「自分だけのTシャツ」…韓国若者世代の新たなオタ活「単なる服ではない。自己表現の手段」

「自分だけのTシャツ」…韓国若者世代の新たなオタ活「単なる服ではない。自己表現の手段」

マープルショップで販売中のカスタムTシャツ=マープルコーポレーション(c)KOREA WAVE

韓国で最近、MZ世代(1980年代~2000年代初旬の生まれ)を中心にTシャツの注文製作が新たなファッショントレンドとして浮上している。かつてスポーツなどの団体や特別なイベント用に使われていたカスタムTシャツが、今では普段着として定着しファッション業界に新たな風を吹き込んでいる。

カスタムTシャツの人気は、MZ世代の独特な価値観と密接に関連している。彼らは大量生産された製品よりも、自分の個性を表現できるTシャツ製作を好む。「自分だけのもの」を所有したいという欲求と希少性に対する価値評価が高いのだ。

ソウル大生活科学研究所のイ・へラン研究教授は「MZ世代にとってカスタムTシャツは単なる服ではなく、自己表現の手段である。好きな芸能人、ペット、流行語などさまざまな素材を活用し、自分だけの物語を込めた服を作ることが新たな文化として定着している」と説明した。

◇技術発展がもたらしたカスタムTシャツの大衆化

オンラインデザインツールの使用が容易になり、小量生産技術が進化したことが、カスタムTシャツ大衆化の大きな要因となっている。今では専門的な技術がなくても、誰でも簡単に自分だけのTシャツをデザインし、注文できるようになった。

クリエイターコマースプラットフォーム「マープルショップ」の関係者は「以前は専門業者を通してのみ可能だったTシャツ注文製作が、今ではオンラインプラットフォームを通じて簡単にできるようになっている。このようなアクセスの向上が市場拡大の主要な要因である」と分析している。

カスタムTシャツのトレンドは、新たなビジネスモデルを創出している。インフルエンサーやクリエイターが自身のブランドを立ち上げたり、ファンとコミュニケーションを取る手段としてTシャツ製作を活用したりするケースが増えている。

野球選手を引退後、YouTubeのTK52チャンネルを運営しているキム・テギュン氏は「ファンとのコミュニケーションの一環としてカスタムTシャツを製作することになった。予想外に高い反応を得て、ファンとの結びつきがより深くなった。ファンも積極的に意見を出すなど、相互作用が活発になり、コンテンツ製作にも良い影響を与えている」と語った。

マープルショップで販売中のカスタムTシャツ=マープルコーポレーション(c)KOREA WAVE

◇マープルショップ、カスタムTシャツトレンドの成功事例

このようなカスタムTシャツ人気を反映するかのように、主要なYouTubeショッピングプラットフォームの一つ「マープルショップ」が急激な成長を見せている。マープルショップは今年上半期に売上高230億ウォン、取引額250億ウォンを記録し、対前年同期比50%成長した。

特に注目すべきは、訪問者数の急増だ。マープルショップの月間純訪問者数(MAU)は2024年7月に181万人を記録し、前年同月の95万人と比較して約90%増加した。この急激な増加傾向は、Tシャツ注文製作を含むカスタム製品への需要が爆発的に増加していることを端的に示している。

マープルコーポレーションのパク・ヘユン代表は、カスタム製品市場の急成長について「MZ世代の個性表現欲求と希少性ある製品への需要がカスタム市場の成長を牽引している。現在、マープルショップには8万チームのクリエイターが登録されており、彼らを通じてさまざまな製品が継続的にリリースされている」と続けた。

これはカスタムTシャツ市場の多様性が拡大していることを示すと同時に、クリエイターたちの活発な参加を裏付けるものと解釈できる。特に、マープルショップを通じて製作される製品がTシャツだけでなく多様なカテゴリーへと拡大している点から、カスタム製品市場の成長可能性が見て取れる。

パク代表は「今後もクリエイターの創造性と消費者の個性表現欲求が交わり、さらに多様なカスタム製品が登場するだろう」と語った。

マープルショップの成功事例は、カスタムTシャツ市場の潜在力とともに、このトレンドが新たなビジネスモデルへと発展する可能性を示している。今後、さらに多くの企業が市場に参入することが予想される。

(c)KOREA WAVE

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