
「持ち帰れなければ全てを失う」。極限の緊張感が魅力の新ジャンル『エクストラクションシューター(Extraction Shooter)』が2025年下半期、グローバルゲーム市場の台風の目となっている。
韓国コンテンツ振興院は12月発表したレポートで、同ジャンルが「ポスト・バトルロイヤル」として本格的に台頭しており、韓国の大手ゲーム企業も相次いで参入していると分析した。
エクストラクションシューターは、プレイヤーが戦場に出て物資を集め(ファーミング)、制限時間内に脱出地点まで辿り着けばアイテムを持ち帰れるが、死亡すれば全てを失うという「ハイリスク・ハイリターン」構造が最大の魅力。2017年に登場した『Escape from Tarkov(エスケープ・フロム・タルコフ)』がジャンルの基礎を築いた。
報告書によると、本格的なブームは2025年10月以降に訪れた。特に注目を集めたのが、中国のインディーデベロッパー「Team Soda」が開発した『Escape from Duckov(エスケープ・フロム・ダックオフ)』だ。
5人チームによる開発ながら、発売5日で100万本を売り上げ、Steamの同時接続者数ランキングでトップ5入り。『タルコフ』をオマージュしつつも、PvE主体のシングルプレイ対応で初心者の参入障壁を大幅に下げ、ストレスを軽減。キャラクターにアヒルを採用するなど、ユーモアある演出も成功の要因となった。
韓国大手ネクソン傘下のEmbark Studiosが10月にリリースした『ARC Raiders(アーク・レイダーズ)』も、Steamで最大同時接続者数48万人を記録し、『The Game Awards(TGA)』など主要ゲーム賞を多数受賞。PvEを中心に構成しながらも、PvP要素では純粋な戦闘能力のみを反映するバランス重視の設計が評価された。さらに、クラフトンも『PUBG』に続くヒット作を狙い、新作『プロジェクト・ブラックバジェット(Project Black Budget)』を非公開アルファテストで公開した。
“超常現象”を巡って極秘施設を探索する設定で、同ジャンルの中でも異色のテーマに挑戦している。韓国コンテンツ振興院のキム・ジョンウ上級研究員は「エクストラクションシューターのグローバル市場で韓国企業が競争力を持つには、価格戦略の合理化とマルチプラットフォーム展開が不可欠だ」と述べた。
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